失敗をしてしまったときの、ベストな受け止め方とは?【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 

温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が発売になりました。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

 


「反省」はいいけれど、
「後悔」は手放す

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仕事など、何かで失敗したときに、できなかったことを反省するだけでなく、「もっとこうしていれば」と後悔をしたり、「他の人だったらもっとうまくできていたかもしれない」などと自分を責めたりと、受け止め方は人によって違います。

このようなとき、後悔や自責の念が強いと、ネガティブなループに陥ってしまいます。
では、どのように受け止めればよいでしょうか。

私が思うのは、まず、世の中の多くのことは、誰がやってもあまり差がないということです。
仕事の成果は、細かく見れば、この人の仕事のほうが丁寧だというような小さな違いはあっても、それが何年か経ったときに大きな差が生まれるかといったら、そうでもないですよね。

失敗をしてしまったときの、ベストな受け止め方とは?【産婦人科医・高尾美穂】_img2
 

私たち医師の世界でも、今の時代は、診療のガイドラインがあって、誰もがそれに則った診療をするので、誰が診療をしても大きな差はありません。 この先生は説明が丁寧だとか、不安な気持ちを和らげてくれたなどといった細かな違いはあっても、それ以外は大きな差はありません。それがあるべき姿です。


失敗をしたときに、反省をするのは前向きなサイクル


このように、世の中の仕事というものは、誰がやっても大きな差がないのです。ですから、何か失敗をしたときに、自分じゃなく、ほかの人がやっていたらもっとうまくいっていたんじゃないかということは、まず考えなくていいと思います。

また、「もっとこうしていれば」という後悔の念については、自分でもっとできることがあったのであれば、それを振り返ってみることは自分自身の成長に繫がるという意味では必要です。

自分がやってきたことが成果として表れるほうがいいのは当たり前で、成果として表れなかったなら、次はもっとうまくいくようにしようと思うことは「反省」になり、これは前向きなサイクルと言えます。

後悔の念は、自分が頑張りきれなかったときほど強くなると思いますが、その気持ちが反省を生んで、次は頑張ろうというふうに自分を成長させていけるなら、それでいいのです。

 
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