坂口 ドラマの中で公正取引委員会のお仕事が描かれていくんですけど、1枚1枚、資料に目を通したり、やっていることはすごく地道なんです。でも、そういう見えないところでの努力があるからこそ、自由な経済活動が保たれている。目立たないけど、めちゃくちゃ大事な仕事だなって改めて知りましたね。

 ドラマの中に公正取引委員会のYouTubeチャンネルいじりがちょくちょく出てくるんですね。実際に私も観てみたら、昔はお米はお米でしかなかったのが、競争が生まれたことによって、農家のみなさんがそれぞれ自分のつくったお米の売りを打ち出すようになって、品種や銘柄というものが生まれたというお話があって、それがすごく印象的でした。普段何気なく「どこどこのあのお米がおいしい」と言ってることも、実はそれは小勝負や白熊のような人たちがいてくれるおかげなんですよね。 

 


ひと休みって良くないですか?


――では、ぜひ作品にちなんで、お2人の素顔を伺わせてください。まず「独占禁止法」という言葉が劇中には何度も出てきますが、逆にお2人がこれだけは独り占めしたいというものは?

 

 私、ラーメンの上の海苔だけをずっと食べたいって思うことがよくあって。(坂口に)居酒屋でさ、海苔をラーメンの汁に漬けて食べるメニューが出たらめっちゃ売れると思うんだよね。

坂口 それは漬け汁に海苔をひたすということですか。

 そう。つけ麺みたいな感じで。でも麺はなくていいから、海苔だけ。

坂口 ちょっとわかる気がします。僕、海苔で(お酒を)飲めるタイプですよ。

 そうそう、まさにそれ。それを独占したい。

坂口 杏さん、この間も鮭のどこかがお好きっておっしゃってましたよね?

 血合? うん、血合も大好き。血合も独占したいです。あと、今日も朝の8時から天ぷらを揚げてきたんだけど。

坂口 へえ、いいですね。

 それも揚げたてを独占したかったんだよね。やっぱり子どもにご飯をつくっていると、自分の食事が二の次になっちゃって。なかなか茹でたてのものとか揚げたてのものが食べられなくなる。何も考えないで、自分だけで独り占めしたいと思って、衝動的に何かをつくるということはたまにあります。坂口くんは?

坂口 なんだろうな。独占したいという意味とはちょっと違うかもしれないけど、僕、ひと休みっていう言葉が好きで。あ~、ちょっと休もうっていう。ひと休みって良くないですか?

 大好き。

坂口 現場が巻いて終わるとかも好きなんですけど(笑)。

 私は飯押しという言葉が大好き(笑)。

坂口 休憩が長すぎるとダメなんですよ。意外と暇になっちゃうし。

 思いがけない、ちょっとしたのがいいよね。

坂口 5分とか10分くらいの、ちょっとした休憩が好きですね。そこで何をするというわけでもなく。

 いい感じの中空きがあると、逆にワクワクするみたいな。

坂口 そうですそうです。ちょっとひと休みしようというあの感じが好き。ひと休みの時間を独占したいです。