私の“相棒”は、飼っている犬です


――では、今作は小勝負と白熊のバディ感が見どころですが、お2人にとっての“相棒”といえば?

 私は犬かな。もう10歳になるんですけど、言葉が通じない分、いろんなものをわかってくれている感じがします。

――杏さんは犬の前ではどんな感じになるんですか。

 

 声が違いますね。(あやすような声になって)かわいいねえ~、どうしちゃったのかな~って。犬の方は絶対どうもしてないんですけどね。「どうしちゃったの?」って言ってる人の方がどうかしちゃってるというやつです(笑)。

坂口 相棒かあ……。僕はあんまり執着がないんですよね。(杏に)坂口くん、これじゃない? っていうの、何かあります?

 語弊があるかもしれないけど、お酒とか。

坂口 ああ、確かに。

 日々喜怒哀楽を共にしているという意味では、相棒かなって。

坂口 言われてみるとそうかも。

 坂口くんって結構行きつけのお店があって、そこで過ごす時間が生活の中に組み込まれてるじゃない? それは、私からみると面白いなって思う。

坂口 僕、絶対1杯は飲んでスイッチオフの時間をつくりたい人なんです。

 すごいよくわかる。私も最近は寝つきがいいので減らしてるけど、必ず1杯は飲んで寝てる。

坂口 やっぱり芝居をしてると、家に帰っても興奮状態が続いている気がして。それで、小さいコップ1杯でもいいので、お酒を飲むことを気持ちを切り替えるスイッチにしているんです。という意味では、確かに欠かせないバディですね。まあ、お酒がバディっていうのもあれですけど(笑)。

 

――悩みを相談できる相棒みたいな存在はいますか。

坂口 僕、相談することがほぼないんですよ。負の感情というか、ストレスがかかったときの代謝がすごく良くて。

 確かにデトックス良さそう。

坂口 何かあっても、5年後にはこんなことで悩んでないんだろうなって思うと、どうでも良くなるというか。負の感情が悲しみや怒りに変わっていくことに疲れちゃうところがあるんですよね。嫌なことがあっても、本当、寝たら終わるっていうのが多いかもしれないですね。杏さんはどうですか?

 私は人に話します。「こんなことがあって……」って誰かに話したら結構スッキリする性格なので。何かあったら親しい人に話して発散するようにしています。

 


競争して一番をとりたいという人間ではない
 

――では次の質問です。タイトルは『競争の番人』ですが、競争は好きですか。

 私はあんまり好きじゃないかな。鬼ごっことかすると腰抜けちゃうタイプだから(笑)。

坂口 僕はちょっと求めてるところはあると思います。でも競争して一番をとりたいという人間ではない。僕は自分のことをすごく自己愛精神の強い人間だと思っていて。だから別に競争で一番になれなくても、自分が自分のことを一番好きだったらいいやと思ってはいるんですけど。そういう性格だからこそ、競争の中にぽんっと放り込まれたとき、自分はどういうポジションになるんだろうみたいなことを考えたりするときはあります。そういう意味で言うと、嫌いじゃないんだけど、身を置きたくないみたいなところはあるかもしれないですね。