ーーTVアニメでは高校生だった主人公たちの大人になった姿を演じるうえで、声や話し方を変えたりなど、年齢は意識した部分はありましたか?

花守 声を変えることは、最初からあまり考えていませんでした。キャラクターたちも高校生の頃と違っていろんな現実に直面していて、大人になった今だから出てくる言葉を紡いでいるんですよね。セリフからそうした情報を受け取ってもらえるだけで彼女たちの過ごしてきた時間を感じてもらえると思うから、声の部分で変えたりはしなくていい、と。

 

東山 みんな社会人としてちゃんと働いていて、社会人らしい言葉遣いで周りの方とコミュニケーションをとっている。私たちがあえて心がけなくても、観る方には時間の流れをきちんと感じてもらえるシナリオになっていたので、安心して演じることができました。むしろ、声のトーンを変えてしまうと、TVアニメから楽しんでくださっている方にとっては成長というより違和感になるかもしれないと思いました。大好きなキャラクターとの久々の対面なら、そのキャラならではの雰囲気を感じたいんじゃないかなって思いますし。

もちろん、分かりやすく変化をつけることが必要な作品、シーンもあると思うけど、今回の『ゆるキャン△』に関しては、それをしないということがナチュラルでいいと思いました。それに職場のシーンなどでは、(TVシリーズにはいなかった)新しいキャラクターと話すことになりますよね。つまり私たちも、『ゆるキャン△』でははじめましての声優さんと掛け合いをすることになるわけで。すると自然に、今までのリンやなでしこたちとは違う一面が引き出されていくんですよ。

花守 (そうそうわかる、といった感じで)うん、うん。

東山 だけどいつものメンバーになると、掛け合いも一瞬でおなじみの雰囲気になったりして(笑)。キャラも私たちも、人なんだなって思いますね。

 

ーー『ゆるキャン△』といえば、キャンプでの美味しそうなごはんも見どころです。

花守 本当に、今回も美味しそうな料理がいっぱい出てきてつらかったです……。

東山 台本は文字情報だけなので、どんな料理なのかスタッフさんが資料を別に作ってくださるんですが、そこにスタッフさんが作った美味しそうな料理の写真が載ってたりするので、「つらい、つらい(泣)」ってなってました。でも私たちも「てことは? 今日のお昼はここにある料理のどれかが出てくるってことですよね?? じゃないといい芝居できないなー!」なんて言ったりしてたんですけど(笑)。そうしたら今回の映画の収録では、叙々苑のお弁当を用意してくださってて。

花守 「お肉きたー!」って(笑)。

東山 もう何も申し上げることはございません、と。飯テロされつつご褒美もいただきながら、アメとムチ状態でお芝居させていただきました(笑)。

花守 どんなメニューかは映画を観てのお楽しみなんですけど、観た人は絶対これ買うだろうな、っていうのがあって。映画館出たらみんなとりあえずコンビニに駆け込んでいくだろうなっていうのは見えてます!