夫と距離を置き、知識や情報を得るためにひたすら行動


離婚の決断をしたものの、夫がすぐに「はい」と言ってくれるような状況ではありませんでした。大暴れの翌日に「これからどうするの?」と素面の夫に尋ねると、「別に何も変わらないよ。悪いのはあなたでしょ」と他人事のように言われました。

この返答を聞き、わたしの決心は一層強くなりました。そこでわたしは、大暴れをされたあと、夫と同じ家の中にいることがこわいと感じたことを素直に伝えました。同じ場にいて怯えていた子どもたちのためにも、短期間の別居をお願いして、友人たちの協力のもと、夫には友人宅に行ってもらうことになりました。

そのおかげで、夫と物理的な距離感を持つことできました。冷静になり客観的に考える中で、これからどうしたらいいのか、真剣に考え始めることのできる環境に身を置けたのです。

ただあの当時は、今のようにインターネットで何でも検索できる世の中ではありませんでした。自分ですべてを探さなければならない状況です。相談窓口に電話で問い合わせ、自ら足を運び、情報を得て、そこからさらに調べていく。そんなことを繰り返していきました。

行政の相談員や心理カウンセラー、精神科の医師に話を聞いていただいたこともありました。知識や情報を得るために、とにかくできることはどんなことでもしようと離婚やモラハラに関する本をたくさん読み、勉強会にも積極的に参加しました。

 


朝が来なければいいと願う日々を乗り越えて


しかし一方では、現実に向き合うのがつらく、恐怖とこの先の見えない不安に常に怯えていました。さらに、納得のいかない夫から、毎日のように脅しの電話やFAX が入り、物理的には距離がとれても、精神的には心が縛られた状態でした。でも、子どもたちや両親に涙を見せることはできないと、肩肘張って頑張るしかありませんでした。

 

唯一ほっとできたのは、皆が寝静まった夜。すべての動きが止まり、シーンとした時間。その時だけは、一瞬、恐怖から解放されるような気持ちになりました。このままずっと夜が続いてくれたらいいのに、朝なんて永遠にこなければいいのにと願った日々でした。