骨粗しょう症が原因で起こる「いつのまにか骨折」

 

閉経後の女性に多いのが、骨粗しょう症が原因で背骨(脊椎)が押しつぶされて変形する脊椎圧迫骨折です。自分では骨折に気づかない人も多いため、「いつのまにか骨折」と呼ばれます。これによる背骨の変形は、60代頃から増え始め、しだいに姿勢の悪さとなって現れます。姿勢が悪い人は10歳くらい老けて見えます。

脊椎圧迫骨折は体幹を縮め、肺や消化管の動きにも悪影響を及ぼします。そこから「息切れしやすい、胸やけしやすい、食欲不振、便秘」など、さまざまな慢性不調が連鎖的に引き起こされます。

骨密度が下がり始めるプレ更年期(40代半ば)以降は、骨の強さをできるだけキープする「骨強度マネジメント」が重要になります。基本は適切な食生活と運動習慣。必要に応じて薬も使用しながら骨密度の低下に歯止めをかけます。

 


骨の強度を上げるには食事の見直しから


骨の強さ(骨強度)は7割が骨密度、3割が骨質からなるといわれています。骨質とは骨のしなやかさ(靭性〈じんせい〉)を保つ性質のこと。骨密度が正常でも骨質が悪いと骨折のリスクは1.5倍に、さらに骨密度も低いと7.2倍に上がるという研究もあります。つまり、折れない骨をつくるマネジメントでは、骨密度の維持と同時に骨質を良い状態に保つことも大切になるということです。折れない骨をつくる第一歩は、毎日の食事内容の見直しから。必要な栄養素を効率よく摂取していきましょう。

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折れない骨と筋肉をつくる「閉経マネジメント体操」
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