病院に行くメリットは?市販薬の選び方は?【医師の解説】


もちろん平時では、困ったり悩んだりしたら医療機関に相談する、という姿勢で構いません。ですが、今は緊急事態ですので、少しスイッチを切り替え、「自分でできることは自分でやる」というモードにしていただく必要があると思います。
自己検査の出来る抗原検査キットが手に入りにくい、という情報も聞いています。自治体によっては検査キットの配布センターを設けているところもありますので、一度調べていただくのもよいかもしれません。
病院に行くメリットとデメリットを比較したときに、現状ではメリットが非常に小さく、むしろ医療機関の負担を大きくしてしまっている、というケースもあります。重症化リスクの低い方は、抗原検査キットを手に入れ、市販薬を準備することで、実は自宅療養が十分可能なのです。

 

市販薬の選び方は?


普段使い慣れた痛み止めで構いません。もちろん薬のアレルギーなど、色々な事情があると思いますが、たとえば「アセトアミノフェン」と呼ばれる薬は、広く多くの方に使っていただけます。
人によってはいつも「イブ」を使っている、「ロキソニン」を使っている、という方もいらっしゃいますよね。このコロナでも同様の考え方で使っていただけますので、普段から使い慣れた市販薬を選んでいただく、という対応で十分なのかと思います。
 

どこまでが軽症? どこからが重症?


お子さんについての質問も多くいただきます。現在、5歳以上のお子さんがワクチン接種の対象になっており、2回接種が済んでいる場合、重症化予防に関して言えば、非常に高い効果が確認できています。症状を見ながらにはなりますが、軽い症状であれば、自宅療養が可能な病気、ということになるかと思います。
「どこからが重症?」という質問もよくいただきます。コロナにおける重症というのは、人工呼吸器が必要なほど酸素の値が悪い、という状態です。熱の高さが40度以上だと心配になる、という声も聞きますが、どんな温度でも軽症に分類されるのです。
ただ、熱によって痙攣を起こしてしまう、食事がまったくとれない、意思疎通がかみ合わなくなった、などの症状があれば、コロナとしては重症に分類されなくても、医療的な治療の必要性が高い状況と言えますね。
このような場合、入院をして点滴をしたり、特別な薬を使わなければいけない可能性があります。けれど、現状では小児科もパンクをしているようで、こうした症状でも数時間の待ち時間が発生しうる、ということもご理解いただく必要があると思います。