「自分と異なる恋愛観」を否定しないで


ターさん、こんにちは。ご自身のセクシュアリティからくる心の揺らぎを、ご相談くださりありがとうございます。17歳とお若いターさんが、ご自身の割り切れない気持ちをしっかり言葉にできることは、とても立派なことだと感じます。

ターさんくらいのご年齢だと、お友だちと恋愛話で盛り上がることも多いですよね。いつも気心知れた友だちで遊んでいたのに、急に誰かに彼氏ができる、といったこともあるでしょう。高校生は、友人との関係性や愛情の配分に、変化が起こりやすい時期とも言えます。

バイセクシュアルを自覚されているターさんは、友人たちがする恋愛話に“割り切れない気持ち”を抱えていらっしゃるとのこと。「わかるわかる!」と同調できないつらさはもちろん、周りと少しだけ違うターさんの痛みや恋愛観を、分かち合えないもどかしさもあるのではないでしょうか。

ただ、ターさんのセクシュアリティについて理解のある友人たちは、おそらくターさんが「自分たちの恋愛話を苦痛に感じている」ことには気づいていないと思います。では「男性の話はしないでほしい」とはっきり伝えた方がいいのかというと、私もターさんと同じで、それは違うと考えます。自分のセクシュアリティとは違うからという理由で、友人の恋愛観を否定したり、嫌悪感を示すことは、信頼関係においてプラスにならないからです。

 

相入れない部分は「割り切る」努力を


ターさんのとても繊細で大切な部分を理解してくれる存在だからこそ、友人に対して「あなたたちともっと一緒に過ごしたい」「男性に取られたくない」「恋愛話をされた時の私の苦痛をわかってほしい」という気持ちが表れてしまうかもしれませんが、ターさんが友人たちを信頼しているのならなおさら、相手の恋愛観を尊重し、応援することが大切だと思うのです。

ターさんは今、男性よりも女性に意識が向いている時期なのかもしれません。その感情やときめきは、誰かに何を言われても変わらない大切な気持ちですよね。男性と女性の両方が恋愛対象の人、男性が恋愛対象の人も、ターさんと同じように、誰かに何かを言われて変わるものではないはずです。

つまり、自分の都合で周囲をコントロールすることは不可能なのです。ですからターさんは、友人の恋愛観と相入れない部分があっても、「割り切る」努力をすることが必要です。