もう鏡は見たくない? 自撮りもしない?


そしてキャメロン・ディアスも、あるインタビューでは、自分をいじめ、自己批判してきたのも、容姿についてが大きかったことをほのめかしています。
休業したことで自分を受け入れることができるようになり、普段の生活ではほとんど鏡を見なくなったと語っている上に、自己批判に陥らないためには、「鏡を見ないこと」と「自撮りをしないこと」という一般女性への提案まで行っているのです。

これはおそらくSNS上で、容姿についてさんざんいろんなこと書かれた経験から、思わず溢れ出たもの。この仕事では自分らしくいられない、このままでは自分を嫌いになってしまう、だから外見に深く捉われなければいけない自分から、逃げたかったということなのではないでしょうか。

そういうことまで含めて、キャメロン・ディアスのちょっと辛い休業は、女として何となく理解ができると言いたかったのです。


2016年に発売した著書。老化が与える影響について医師、科学者、栄養士、その他多くの専門家にインタビューし、学んだこと、そして 彼女自身が“20 年前に知りたかったこと”を執筆。

つまり女優でなくても、一般女性も同じ、40代から50代にかけて、人によっては30代後半から、その場を立ち去りたい衝動に駆られることがあるのは、やはりキャリアで培ってきた自信を、衰えが奪っていくからではないかと思うのです。
だから、仕事を辞めたくなったり、コミュニティーから抜けたくなったり、ともかく姿を消したくなる、どこかに隠れたくなる……とてももったいないけれど、とても残念だけれど、一時的にでも人は衰えにそういう形で負けるのです。

 

でも、話はそこで終わりではありません。キャメロン・ディアスは戻ってきます。結婚もし出産もし、そうした私生活の充実が新しい支えになったのでしょうが、すっかり自分を取り戻し、そして美しさも取り戻して、女優復帰を果たすのです。

ちなみに、グレタ・ガルボが表舞台に戻ってくる事はありませんでした。時代的に、世間がそれを優しく迎えることも、また美しさを復活させこともできなかったから?  またオードリー・ヘプバーンは約10年の休業のあと、数本の映画に出ていますが、達観したオードリーのこと、年齢に抵抗することなく、復帰後は歳を重ねた役を好演しました。