言いにくいことを伝えるとき、どうする?


フィードバックは、やはり「未来につなげるために行っている」ので、言葉選びがとても大切です。たとえば、「悪いところはありましたか?」よりも、「改善できると思ったところはありますか?」という聞き方の方が、答えやすいですよね。

指導のつもりで、相手の悪いところばかり批判してしまうこともあるかと思います。そうではなく、「いかに未来に繋げるか」という想いで、相手に伝えることを意識するとよいかもしれません。

 


「人」ではなく「こと」を中心に伝える


それでも、ネガティブなフィードバックは、とても伝えにくいですよね。そんな時は、人を責めるのではなく、「こと」を中心に伝えてみましょう。その人が悪いのではなく、起こってしまったことが悪い……というように、「こと」を中心に話すと、相手も受け止めやすくなるのではないでしょうか。

その後は、できるだけ具体的な改善点を提案して、フィードバックは終了です。


医師がネガティブな報告をするときの準備


医師として働いていると、どうしても患者さんへネガティブな報告をしなくてはいけない時もあります。そうした場合にも、実は決まった伝え方があるのです。

ネガティブな報告を聞く、ということは、患者さんにとって、すごく大きな出来事ですよね。報告する側の準備も、とても大切です。たとえば、静かな環境でお伝えすることが大事ですので、医師であればPHSやポケベルが鳴らないよう電源を切っておく必要があります。また、患者さんがお一人で聞きたいのか、あるいは誰かと聞きたいのかを確認することも重要ですね。さらに、詳細な数字やデータまで知りたいのか、全体像だけを知りたいのか、なども確認します。

さらにその上で、患者さんご本人の病状などに対する理解度も確認しなくてはいけません。そこまで準備した上で、やっとネガティブな内容をお伝えするのです。