厳しい現実はこう伝える。ネガティブな報告をする前の工夫


準備を終え、報告をする場面においても、いくつか心がけていることがあります。たとえば、患者さんには心の準備をしていただかないといけないので、「これからちょっと悪い知らせをします」ということを予感させる言葉を使うのです。英語では、Unfortunately(あいにく、遺憾ながら)のような言葉を使うこともあります。このように前置きをすることによって、「これから悪い知らせが来るんだ」というのがわかりますよね。

例えば、いきなり「あなたの診断はがんでした」と伝えるのではなく、「悪い知らせがある」ということをはじめに伝え、心の準備をしてもらう。その後はシンプルにストレートに診断をお伝えする、という手順です。

そのほかには、立ち話の流れでネガティブな報告をしない、患者さんと目線の高さを合わせる、なども大事なポイントです。患者さんがベッドに横になっている場合は椅子を持ってくるとか、ベッドの横にしゃがんで話す、というのもとても大事なのです。

ネガティブな内容やフィードバックを伝えなくてはならない時に、ぜひ参考にしてみてください。

 

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写真/shutterstock
構成/新里百合子
 

 


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