厳しい現実はこう伝える。ネガティブな報告をする前の工夫
準備を終え、報告をする場面においても、いくつか心がけていることがあります。たとえば、患者さんには心の準備をしていただかないといけないので、「これからちょっと悪い知らせをします」ということを予感させる言葉を使うのです。英語では、Unfortunately(あいにく、遺憾ながら)のような言葉を使うこともあります。このように前置きをすることによって、「これから悪い知らせが来るんだ」というのがわかりますよね。
例えば、いきなり「あなたの診断はがんでした」と伝えるのではなく、「悪い知らせがある」ということをはじめに伝え、心の準備をしてもらう。その後はシンプルにストレートに診断をお伝えする、という手順です。
そのほかには、立ち話の流れでネガティブな報告をしない、患者さんと目線の高さを合わせる、なども大事なポイントです。患者さんがベッドに横になっている場合は椅子を持ってくるとか、ベッドの横にしゃがんで話す、というのもとても大事なのです。
ネガティブな内容やフィードバックを伝えなくてはならない時に、ぜひ参考にしてみてください。
<新刊紹介>
『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』
著:米マウントサイナイ医科大学 米国老年医学専門医 山田悠史
定価:本体1800円(税別)
講談社
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高齢者の2割には病気がないことを知っていますか?
今から備えればまだ間に合うかもしれません。
一方、残りの8割は少なくとも1つ以上の慢性疾患を持ち、今後、高齢者の6人に1人は認知症になるとも言われています。
これらの現実をどうしたら変えられるか、最後の10年を人の助けを借りず健康に暮らすためにはどうしたらよいのか、その答えとなるのが「5つのM」。
カナダおよび米国老年医学会が提唱し、「老年医学」の世界最高峰の病院が、高齢者診療の絶対的指針としているものです。
ニューヨーク在住の専門医が、この「5つのM」を、質の高い科学的エビデンスにのみ基づいて徹底解説。病気がなく歩ける「最高の老後」を送るために、若いうちからできることすべてを考えていきます。
写真/shutterstock
構成/新里百合子
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