本番で120%を出すために必要なのは、安心できる環境づくり


――劇中で、北村の所属する音楽隊はその存在意義を問われていきます。高杉さんはご自身の存在意義に悩むことはありますか。

僕らの仕事は存在意義がすべてですからね。もちろんどの仕事も往々にしてそういうところはあると思いますけど、わかりやすく存在意義がすべてのところはあるので意識せざるを得ないのかなとは思います。

でも、それも気にしても仕方ないしなというのが僕の正直な考えで。自分のやれることをやった上で、次また呼んでもらえるかどうか。そしてそれこそまさにいくら僕が考えてもどうしようもないこと。だから、僕がやるべきはとにかく自分のやれることをやるだけで。それ以上でもそれ以下でもないかなという気がします。

 

――では、どうやって自分の存在意義を出すと言われたら?

正解はない気はしますけど、存在意義がない人なんていないのは間違いない。だから、自分の持っているポテンシャルを本番で120%出していけるかどうかじゃないですか。まあ、僕はその本番に弱いんですけど(笑)。

――それは困りましたね(笑)。

だから量をやるしかないんですよね。本番で自分の120%に近づけるためには、とにかく練習の量を積むしかない。家でしっかり台本を読んで、役をつくって。

 

あとは環境づくりも大事だと思います。僕は現場に行ったら、なるべくスタッフさんに挨拶をしに行って名前を覚えるようにしているんですけど、それは自分が安心して仕事ができる環境づくりという面もあります。やっぱり仕事って誰とやるかだと思うんですよ。知ってる人がいるだけで、力も出しやすくなる。だから、知らない人がいるなら、自分から声をかけて知ってる人にしていく。環境づくりは、本番で120%を出すためにも重要だと多います。