いつ会っても元気いっぱいで、きさくに声をかけてくれるママ友。エレベーターで偶然上司に出くわしても、とっさにユーモアの効いたトークを繰り広げることができる同僚。

「外向型」人間たちは、いつもたくさんの人に囲まれ、仕事もプライベートも大充実しているように見えます。ふう、それに引き替え私は……。引っ込み思案だし、人前に出るとあがって言葉が出てこなくなるし、何をするにも時間がかかる。「内向型」人間でいるのって辛い……。そんなあなたに贈る、一冊の本をご紹介します。


「静かな人」にはったりはいらない

ビジネスにおいては「外向型」人間でないと成功できない? そんな誤解を正し、「静かな人」の秘めた能力に気づかせてくれるのは、自分のことを超内向型だと分析するビジネスウーマン、ジル・チャン。

「聞く力」「気配り」「謙虚」「冷静」「観察眼」「戦略的思考」……。「静かな人」には、仕事をする上で役立つ重要なスキルがたくさん備わっています。台湾出身の超内向型のジルが、世界一の外向型社会ともいえるアメリカで成功できたのは、スキルを発揮する戦略を練ったから。本書の中で、「無理して外向型になろうとしなくていい」とジルは繰り返しメッセージを送ります。

 


一方で、静かな人の多くが緊張しやすく、慎重で、とっさの判断が苦手なのも確かです。

例えば、会議前後の軽い雑談、交流会でのあいさつ回り、壇上でマイクをもってプレゼンテーションすること。外向型人間には楽勝かもしれませんが、静かな人にとっては恐怖でしかないシチュエーションです。


「なんで私がこんなところに?なんでこんな人たちと同じところにいるんだろう?私はこんな内向型なのに。ちょっと話すだけでも緊張してしまうのに!みんな有名で、立派な経歴の人ばかり。私なんて、すぐ見掛け倒しだってバレるに決まってる」―『「静かな人」の戦略書 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』より


同じような場面を何度も冷や汗と共に経験してきたジルが伝授する、静かな人の戦略二つ。それは、「事前準備」と「充電場所の確保」です。

静かな人の強みは慎重さ・深い思考・謙虚な姿勢。それを活かすためには、事前に十分に情報収集し、話す内容をまとめておくことが大事です。「話す内容をあまり準備しすぎると、堅苦しく押しつけがましい印象を与えるのでは……」などと心配は無用です。静かな人特有の柔らかく控えめな物腰は相手に警戒心を起こさせにくいし、質問に対してたくさんの知識を盛り込んだ回答をしても反発心を呼び起こしにくいのです。

また、会議やイベントの前にまっさきに行うといいのが「化粧室探し」。会議の前に個室にこもって心を落ち着けたり、自分のスピーチが終わった後に駆け込んだり。静かな人のパワー充電は「一人になること」が重要です。充電場所を押さえておくことで、ざわつく心を落ち着かせることができるでしょう。

 
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