気になる症状があるときはどうする?【医師の解説】


コロナ感染後に気になる症状があれば、まずその症状がどのくらい続いているか、そして、その症状が生活に支障をきたしているか、最後に、他の病名で説明されないか、という点を明らかにすることが大切です。

生活に支障をきたすような症状がある場合には、まず医療機関にご相談いただき、「本当にコロナ後遺症と呼んでいいのか?」ということを丁寧に診察する必要があります。他の病名であれば、その病名に従った治療で解決する可能性もあるからです。

 

たとえば、コロナ感染後に回復したものの、「痰が絡む」という症状にお悩みの場合。その場合は、「そもそもそれが本当に痰なのか?」というところから確認をします。

よく、痰が絡むという症状で混同されやすいのが、後鼻漏(こうびろう)といって、鼻の奥にある副鼻腔に「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」という病気を持っていたりするケースです。あるいは、慢性的な鼻炎があるという場合に、鼻水が後ろに垂れ込んだ場合には、それが痰として感じられる、ということもあり得ます。

現在お困りの症状がどこから来ているのか、そして何が原因なのか、本当にコロナ後遺症でいいのか? 繰り返しになりますが、こうした点を特定することが、非常に大切なのです。

新型コロナに感染し、回復後に症状が出る、という時系列が成り立つと、頭の中で因果関係として結びつきやすくなってしまう、ということがありますよね。

たとえばワクチン接種の後に発症した病気は、ワクチンが原因だと認知され、「ワクチンの副反応なんだ」と訴えられる方もいらっしゃいます。ですが、実際には因果関係がない、あるいは明らかでないことも多いのです。

SNSなどで「私はこんな症状で、この治療を受けたら良くなった!」という投稿などを目にした場合にも、注意が必要です。

症状が同じだと勘違いしやすいのですが、その投稿をした方の症状と、自分自身の症状は、全く別の原因で起こっている、ということもあり得るからです。