いつも通りの夏の日曜日に、突然の脳卒中で倒れたのは、48歳2児の母でありフリーライターの萩原はるなさん。救急車で急性期病院に運ばれ、予兆も準備もまったくないまま入院生活が始まりました。
なぜ自分に、こんなことが起こったの? 後遺症は? 突然の事態に自分なりに向き合いながら、治療やリハビリに励んだ入院生活が終了。その後の生活についてレポートします。
子どもの寝息を聞いて「帰ってきた」ことを実感
母の車で、5カ月ぶりに懐かしの我が家に帰ってきた私。マンションの駐車場で車を降りて、杖をつきながらエレベーターに乗り、家への廊下を歩きます。
なにせ、倒れてから初めての帰宅。体が不自由になる前の記憶と感覚しかない場所で、杖&装具をつかって歩くもどかしさよ。そもそも、玄関の段差なんて、これまでまったく気にしたことすらありませんでした。それが、厄介な障害物として目の前に立ちはだかるのです(若干盛っていますが、気分はそんな感じ)。
担当の理学療法士さんからは、「家の中では、装具を外していいですよ。杖もなくて大丈夫でしょう」とお墨付きをもらっていました。家の玄関に座って、靴を脱いで装具を外します。
もたついていると、「お母さ〜ん」と、息子が飛びついてきました。ただいま! やっと帰ってこられたよ〜。でも、なかなか家に入れない(悲)。
そして、家に入ってびっくり。まるで、空き巣に入られて、金目のものを徹底的に探されたような散らかりっぷりだったのです。ただでさえゴミ箱にゴミを捨てられない娘と息子。夫も決して綺麗好きではないうえに、ごはんの時以外は家に帰ってきていないに違いありません。
そうか、私がいないとこうなるんだなあ……。
気を取り直して、家族揃って退院祝いディナーに出かけることに。子どもたちが大好きな、小籠包で有名なチャイニーズレストランに向かいます。
久しぶりの娑婆、久しぶりのおいしいごはん、そして久しぶりすぎる生ビール! コップ一杯でクラクラです。なんて低燃費、だけど大満足!
その夜は、子どもたちと一緒に寝ることに。右に娘、左に息子。子どもたちに挟まれて彼らの寝息を聞きながら、「あ〜、帰ってこれたんだなあ」としみじみ嬉しさをかみしめるのでした。
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