お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。
ワインで、日本酒で、夏の中華を楽しむ。
辛い四川料理に、喉ごしのいい涼麺。夏になると無性に食べたい中華。いま行くなら、料理も合わせるお酒も個性的な若手シェフの店へ。
ガツンと旨辛な中華を、日本酒と
コクエレ(西小山)
噴き出る汗もどこ吹く風。<辣子鶏(ラーズージー)>はハンパない辛さなのに、唐辛子をかきわけ、かきわけ、鶏肉を探す手が止まらない。肉にじっくり火を通し、水分を抜いてから炒めているので、旨辛なのだ。具のごとく生山椒が入ったスープも、爽やかな痺れと、アサリの旨みが渾然一体。香辛料の使い方も上手く、香りや辛みがひと際鮮やかだ。店主の柘植和志さんは、広東と四川料理のキャリアを持つが、特に四川の味つけが好きなのだという。
ところが、お酒は紹興酒でなく日本酒メイン。山廃仕込みやコクのある熟成酒をグラス500円で。いわく「日本酒のほうが面白いでしょう。この店の料理はご飯に合うので、楽しんでもらえるはず」。
神楽坂の一軒家でワイン片手に中華
中国菜 膳楽房(飯田橋)
涼やかな翡翠色の麺はクロレラ入り。色とりどりの具はなくても、ザーサイの塩気と生姜の爽やかさ、ゴマ油の香ばしさが相まって、みるみる皿が空になる。実はこれ、店主・榛澤知弥さんの修業先『龍口酒家』の看板メニュー。でも、それを受け継いだ榛澤さん自身も、こうした料理を目指している。「炒め物にしても、具材は多くて種類。調味料も多用しないで、素材の味が明快に伝わる料理を心がけています」フカヒレの煮こごりを使った冷菜しかり、どれもゴテゴテと味を施さず、穏やかな味わい。そして、ひと言「うちの料理は、ワインにも合わせやすいと思いますよ」。何を隠そう、榛澤さん自身もワインが大好きなのだそう。
FRaU 2014年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社
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