お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。
まだまだ寒い日々だけど。今夜は料理で旅をする。
一軒でケニアにタイにペルーの料理まで楽しめる。そんな店が増加中。寒さに身が縮む毎日だけれど、こんな店で少し先のヴァカンスに思いを馳せるのもいいかも。
◆機上の人になって、どこへ行く⁉ stopover tokyo(表参道)
店内に入ると、飛行機のシートやサービストロリーが目に飛び込んできて、一気に旅に誘われる。ここは飛行機好きのアパレルブランドのオーナーが構えた、旅がテーマのレストラン。だから、アジア、ヨーロッパ、中南米と料理に国籍ナシ。フレンチ出身ながら、「CAY」や「タヒチ」で長年アジアの料理を手がけてきた新宮彰シェフが、素朴な各国料理を、東京経由で手間暇かけてひとひねり。洗練された味に仕上げている。ベトナムの生春巻には、ヌクチャム代わりの、大葉やミントが香る爽やかなソース。豚バラ肉をバナナの葉で巻いたフィリピン料理は、タイ風の味を施し、塩とコリアンダーで食べる趣向でこれが旨い!
◆店主は、世界80 か国を旅した料理人。 AK Corner(板橋本町)
キッチン脇のカウンターには、スパイスが入ったボトルがずらり。それがインドやタイ、ときにはペルーやケニアの料理になってやってくるから、ワクワクする。実はここ、世界の料理が知りたくて、なんと80ヵ国を旅したという角明典さんが構えた店。しかも、その半分の40ヵ国は、レストランや家庭で料理を学んだそうで、ペースト類はハーブやスパイスを潰して作り、現地の味を再現する。ケニアの主食ウガリは素朴すぎて"ンッ!?"と思うけれど、煮込みと食べ進むうちに"これじゃなきゃ"と思えてくる。チリのポテトケーキは、アニスシードが入るだけなのにスペイン風とは異なるおいしさで、食文化の偉大さにしみじみ。
FRaU 2014年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社
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