フランスのいいところは、先にも書いた通り、とにかくお花の需要が高いこと。 需要があるということは自然と価格も安くなるわけです。日本にいた頃は「費用対効果が悪い」と思っていましたが、この国だといろいろランクがあることを発見。マルシェで野菜や生鮮食品と共に買うお花は、ブーケになっていても10€ぐらいからある(遅い時間に行くと投げ売り状態で5€だったり!)。これなら貧乏学生でも買える〜と、一番安いお花を入手しては飾るのが、段々当たり前になりました。

ライラックのブーケ。ライラックはデリケートな花なので、信頼できるお花屋さんで買うのがベストです。 

さらにこの国のお花事情においてすごくいいなと思うのは、男性が生花を買うのになんの躊躇もないという事実。街中でも、「プレゼントかな?」と思う可愛いブーケを持って歩いている男性をよく見かけますし、バレンタインデーなどのイベント日に至っては、お花屋さんに男性の行列ができるほどなんです。

フランスでは日常的な「男子と花」。バレンタイン時の大行列を写真に収めてなかったのが残念。

とはいえ「日本と違いすぎる〜!」と、なげく必要ありません。フランス人男性が皆、最初から素敵なお花を選べるわけではないのです! 例えば友人の旦那さんは、バレンタインデーにお花を買ってきてくれてはいたものの、結婚当初はベタ〜な赤いバラばかりだったそう。そこで彼女は「まあ! なんてきれいなんでしょう、ありがとう! 嬉しい! でも私は白いバラが好きだから、次は白がいいなあ」と、ほめ殺しつつ自分の好みを伝え続けたところ、今では毎年ちゃんと白いバラを買ってきてくれるようになったそうな。

 

我が家の日本男子も、最初の頃は私がお花を買うというと、「長持ちしないのに……」と、ややもって不満気でした。でも無視して買っていたら段々と「きれいなお花があると、癒されるねえ」なんて言い出すように。さらに私が、ヴィンテージっぽい色の花が好きだということを伝え続けたところ、近所のお花屋さんにたまに行く際でも、それを強調したらしく。今では「あら、マダム・ヴィンテージの旦那さん」と対応してくれるそうで、曖昧色の素敵なブーケを持ち帰ってくるように! 

こちらもオットが「ヴィンテージ色で」とオーダーして作ってきてもらったブーケ。曖昧な色が溢れていて、可愛い!