ストレスなく好きなものを食べる VS. 節制した食生活。どちらがよい?


「ストレスなく好きなものを食べる生活と、節制した食生活を実践した人ではどちらの方が健康によいの?」という質問は、比較して因果関係を示し、回答するのが難しいです。

ですが、身体的な健康を維持するという目的でいえば、「国の指針(食事バランスガイドなど)に従った食生活の方が、身体的な健康にはよい」と考えられているからこそ、国がそのような指針を出しているわけですよね。

 

ですので、まずは身体的な健康、つまり、心臓に良い、がんのリスクが減る、死亡率や死亡リスクが下がるという意味では、おそらく国の指針に従った食生活がよいのだろう、と考えられます。

そしてもう一つご紹介したいのは、地中海料理です。心臓の病気がある方の中で、地中海料理を食べてくださいと言われた人たちと、脂肪だけを抑えた食生活をした人たちで比較すると、地中海料理を意識して食べた人たちの方が心筋梗塞という病気が減る、という結果も出ています。この比較にはランダム化比較試験という手法が用いられており、因果関係が示唆されています。

ですので、心臓の専門家たちは、この試験で判明した因果関係をもとに「心臓の病気があるから、地中海料理を食べてくださいね」と言えるようになりました。

ただ、「健康によい食生活とはどんなものですか」と広く聞かれた場合には、身体的な健康だけでなく、心理的な健康、社会的な健康などについても考える必要があります。

そんな中でも、ご自身で食生活について考えるときに参考となる考え方をご紹介します。