V、JUNG KOOK、JINら、ボーカルラインの個性と才能は?


小島:では、JIMIN以外のボーカルラインに関してもお話を聞かせてください。

キム:Vはセンチメンタルで抒情的な雰囲気を持っているボーカリストです。K-POPの他のアイドルとも少し違い、ユニーク。声のトーンが低く、バラードも上手にこなすだけではなくて、R&Bも上手です。ソロとしてその才能がどう開花するか未知数ですが、BTSのなかでもっとも叙情的な雰囲気の曲に合う、優れたボーカリストだと思います。

JUNG KOOKは、好みを超えて幅広い人に訴求する力があると私は思います。テクニックをはじめ、さまざまな面で才能がある、メンバーの中でも一番優れたボーカリストだと私は感じています。彼のボーカルは、欧米や韓国で流行している多様なジャンルの音楽、特に最近若者に人気のあるR&Bとかヒップホップにピッタリなんですよね。今後ソロで活動するとき、トレンディなジャンルで欧米の市場で勝負できる可能性が一番高いと思います。

JINについては、僕はよく「韓国的なボーカル」と表現しています。彼はもともと演技に関心をもっているので、ドラマのOST(サウンドトラック)などもできるのではないかと。韓国では歌手の声を、「トレンドに合ったR&Bに合った声」や「OSTに合った声」とカテゴライズして評価します。JINは、OSTやバラードなどドラマチックな曲や、もしかするとミュージカルにも可能性があるのではないかと考えています。彼はハンサムですしね。

 

小島:JUNG KOOKがBTSのメインボーカルではなかったらBTSはここまでの華やかさはなかったのではないかと思います。歌えて踊れて容姿も魅力的で、みんなに愛されるアイドルのキラキラが凝縮された人ですよね。BTSのアルバムにはJUNG KOOKがプロデュースした曲もあり、多彩な才能を持っていることは明らかですが、これからどのように活動していくとご覧になっていますでしょうか?

キム:JUNG KOOKは、もしBTSに入っていなかったら、シンガーソングライターとして活動していたのではないかなと思います。声が韓国、欧米問わず今の音楽市場に合っていますし、歌もラップも、ダンスもできて、英語も覚えるのが早いんですね。何でも早く習得できるタイプの人だし、何一つ欠けるところがない。ソロで一番成功の可能性を秘めていて、いまのトレンドに合っているのがJUNG KOOKだと私は考えています。

小島:一方、私はJINが公開した「SUPER TUNA」のようなユニークな曲も好きです。彼はバラエティー番組に出たいとも言っていたそうですが、今後はグローバル展開というよりは韓国でより多くの人に長く愛される存在になっていくのでしょうか?

キム:そうですね。JINはアメリカよりも韓国やアジア圏で可能性があるタイプではないかと僕は思っています。先ほどお話した通りボーカルも韓国的な強みを持ち、アジアの人に共通した情緒を彼は持っています。なので、すでに世界的なスターではありますが、今後、韓国をはじめとするアジアで様々な活動ができる人だと思っています。演技やバラエティーのMCなどに挑戦して活躍のフィールドを広げていく可能性は高そうですよね。