去年HBO Maxで配信された、人気ドラマSATCの続編『And Just Like That…』。更年期や配偶者の死など、ヒロインのキャリーたちが50代になってからの人生を描いたエピソードが話題になりましたが、現在シーズン2の制作が進行中。その詳細が徐々に明らかに。

キャリーの元彼、エイダンが戻ってくる!

ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(1998-2004)より。写真:REX/アフロ

ドラマSATC内でサラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリーの歴代彼氏の中でも人気が高いのが、家具デザイナーのエイダン。誠実で優しくて、キャリーに「君の欠点も好き」と言ってくれる一途な恋人だったのに、キャリーは彼では物足りずに、ちょっと危険な香りのするビッグを選びました。その選択に、未だにファンたちの間では「エイダンを選ぶべきだった」という意見が根強いという存在。劇場版の2では、ビッグと結婚したキャリーとエイダンがデートしてキスするシーンもありましたよね。

映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」(2010)より。写真:Everett Collection/アフロ

そのエイダンがシーズン2ではカムバック。これはサラがTV番組『エンターテイメント・トゥナイト』で、ジョン・コービット演じるエイダンの登場があるかと問われ、「そうかも、そうかもね。もう隠しておくことなんてできないわね」と認めたことから判明したもの。

ビッグが亡くなって現在はシングルのキャリーですが、今度こそエイダンと結ばれる、なんていう展開はあるのでしょうか。だけど経験上、一度選ばなかった相手って、試着したけど買わなかった洋服と一緒。その後再びいい感じになったとしても、やっぱり「何か違うな」となって選ばないものな気がします。結局、一見いいなと思っても、実際に着てみたら自分にはフィットしなかったから買わなかったんですものね。

 


ノンバイナリーのコメディアン、チェが重要なキャラクターに

プレミアでのサラ・ジェシカ・パーカーとサラ・ラミレス。写真:AP/アフロ

シーズン1ではミランダと恋人になった、ノンバイナリーのスタンダップ・コメディアン、チェ・ディアス。実生活でもLGBTの俳優、サラ・ラミレスが演じるこのキャラクターは、LGBTの人々がステレオタイプに描かれすぎだと批判を受けていたSATCを現代風にアップデートするために登場させられたような人物。ドラマのクリエイター、マイケル・パトリック・キングは、シーズン2ではこのチェが活躍することになると明かしています。

「シーズン2に対する私の情熱のひとつはチェです。私はシーズン1では見えなかった、チェのキャラクターの別の次元を見せたいと思っています。チェがどんな人物か、視聴者にもっと見せたいのです」。

大麻を吸ったり奔放なセックスを楽しむバイセクシャルのチェは、言うなればSATCでのサマンサ的なキャラ。だけど個人的にはこの役って、白人主義で、ヘテロセクシャルが中心の保守的なSATCの世界観の中に、LGBTの人たちにも支持されるためにとってつけたように加えられた感じがして、ものすごく違和感があったんですよね。

アメリカの視聴者たちも同じように感じていたようで、ネット上では「Hey It’s Che Diaz(これってチェ・ディアスじゃない?)」というミームがトレンドに。「Hey It’s Che Diaz」が、望まれていないシーンで登場して気まずい空気になる、という意味のスラングとして使用されているのです。たしかにチェが出てくる場面って、そういう感じある! と納得。

たぶんですが、「多様性」というのを意識しすぎていて、キャラクターが自然に動いていないんですよね。セクシャリティってその人をカテゴライズするひとつの情報でしかないのに、「性に奔放」とか、結局ステレオタイプ的なイメージに当て嵌めようとして、チェをひとりの人間として描けていないのが、視聴者がこの新たなキャラクターに馴染めないし共感できない原因なんじゃないかな。シーズン2ではその辺りが改善され、チェの人柄がもっと深掘りされているということでしょうか。

配信予定日はまだ未定ですが、ビッグをなくしたキャリーが、キャリアに恋愛に、どんなセカンドライフを送っているのか、楽しみですね。

 


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