「仕事募集中」とフラグを立てると、やってくる!?

地方在住の主婦。「キャリアは諦めるしかない...?」悩む彼女が“1通のSMS”で運命を変えた怒涛の展開_img1
子育てが忙しかった頃の関谷さん。「器用じゃないので、仕事をたくさんこなすのが難しい時期でした」(関谷さん)

「茨城県にいた頃から、字幕翻訳の仕事以外にも、昔の仕事仲間に『なにかお手伝いできる仕事があればお声がけください!』と伝えていました。とにかく『遠隔でできる仕事を欲しているひと』とフラグを立てておくことが有効のようで、仕事をいただけました。

今では大人気の武井壮さんの新人時代にプロモーションをお手伝いしたり、雑誌のインタビュー原稿のテープ起こしをしたり。急な依頼にも小回り良く対応したことが奏功して、コンスタントにお仕事をいただけていました。再び見知らぬ土地、岐阜に行ってもきっと何とかなる、頑張るしかないと覚悟を決めました」

 

この頃になると、お子さんも小学校と幼稚園に通うようになり、少しだけ自分の時間が取れるようになった関谷さん。「1人でできるノマドワーク」だけでなく、人と関わる仕事を増やせないかと考えます。

「人が好きなので、岐阜でも人や土地と関われる仕事が何かできないかな? と考えました。とはいえ、まだ子どもは幼稚園ですし、二人ともバレエに夢中でそのサポートも忙しく、会社員になるのは難しい。少しは得意の英語を活かして、フランチャイズのような形で英語教室を開けないかなと思いつきます。夫が大学で英文学を教えているので、イメージも多少つきやすかったのもあります」

さっそく認定講師の資格を取得、ノウハウを学び、開業届を出したのが2021年。教室をオープンするためのレンタルスペースも借りましたが、コロナの猛威は収まる気配がありません。対面での授業に難色を示す生徒が増え、授業を成り立たせるのが難しい状況になってしまいました。

「私自身も家族がいる状況で、立ち上げたばかりでオンライン配信などの設備もなく、一旦状況が落ち着くまで休会という形を取らざるをえず……。せっかくこれからというときに、目の前が暗くなりましたね、さすがに」

猪突猛進、という言葉がぴったりの勢いで頑張ってきた関谷さんでしたが、取材中もこのときばかりは浮かない表情に。

そんなある日、ご主人がとある新聞記事を見たことが、次の転機になります。

「新聞に、奈美が昔一緒に仕事していた脚本家の渡辺あやさんの記事が載ってるよ」