「スキマ時間に何をやるか」を決めておく


スキマ時間を上手に活用するには、事前に、「スキマ時間がどれくらいありそうか」「スキマ時間に何をやるか」を明らかにしておくことが大事です。勉強法のベストセラーに書かれてあった「スキマ時間を活用するポイント」をまとめると、以下になります。

1)ノルマ(目標)を決めておく
「1日にこれだけ本を読もう」「明日は、スキマ時間だけで英単語を20個覚えよう」「駅に着いたら英単語を3つ頭に入れて、学校に向かう間に覚えよう」など、「ノルマ(目標)」を決めます。

2)「できること」をリストアップする
スキマ時間にできることを、あらかじめ考えておきます。「5分時間が空いたらこれができる、10分空いたらこれができる、30分以上あるならこれができる」と、時間別にできることを決めます。

写真:Shutterstock

【スキマ時間にできることの例】
オーディオブック(書籍を朗読して音声化したもの)を聴く/英語のリスニングをする/英単語を暗記する/スマホの「過去問アプリ」で問題を解く/電車に乗る前に「問題」を頭に入れて、乗車中に考える/情報収集する(ニュースを仕入れる、など)/勉強のスケジュール(行動計画)を見直す/YouTubeなどで教育系のオンライン動画を見る など

 

3)必要なものを準備しておく(カバンの中に入れておく)
参考書、問題集、資料、本、電子書籍リーダー、タブレット端末、スマホ、単語帳など、勉強に必要なものを持ち歩くようにします。

「時間を有効活用するためには、あらかじめ、細切れでも勉強できるグッズを用意しておきましょう。わたしは、iPhoneにオーディオブックを入れて持ち歩き、スキマ時間に聴いています」
――本田直之『レバレッジ勉強法』/大和書房

スキマ時間を効率良く活用するには、「やること」と同時に、「やらないこと」を決めることも重要です。「勉強時間を増やす」とは、言い換えると「勉強以外の時間を減らす」ことだからです。「スキマ時間を勉強に充てる」と決め、「緊急性や重要性のないこと」「勉強とは関係のないこと」「インプットする必要のないもの」「成績アップにつながらないこと」に費やす時間を減らせば、勉強時間を増やすことができます。

「ことあるごとに忘れずに自分に問うてみるがよい。『これは不必要なことの一つではなかろうか』と」
――マルクス・アウレーリウス『自省録』/岩波書店

「無駄な時間をなくす」「やらないことを決める」のが、時間管理の基本です。
 

著者プロフィール
藤𠮷 豊(ふじよし・ゆたか)さん

株式会社文道、代表取締役。有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクションにて、企業 PR 誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR 誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、タレンドなど、インタビュー実績は2000人以上。2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。現在はライターとしての活動のほか、「書く楽しさを広める活動」「ライターを育てる活動」にも注力。

小川真理子(おがわ・まりこ)さん
株式会社文道、取締役。有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。日本女子大学文学部(現人間社会学部)教育学科卒業。編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。その後、フリーランスとして、大手広告代理店の関連会社にて企業のウェブサイトのコンテンツ制作にも関わり仕事の幅を広げる。これまでに、子ども、市井の人、文化人、経営者など、インタビューの実績は数知れない。現在は、ビジネス書や実用書などの編集・執筆に携わる一方で、ライターとして約30年活動をしてきた中で培ってきた「書く」「聞く」についてのスキルや心構えを伝えたいと、ライティング講座にも注力。学生や社会人、ライターを目指す方々に対して、執筆指導を行っている。

 

『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
著者:藤吉 豊、小川真理子 日経BP 1650円(税込)

ふたりの著者によるヒット書籍『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』に続く第3弾! 大学教授・脳科学者・エリート・独学の達人など、「頭がいい人」の勉強法を教える名著100冊を徹底的に分析し、8つの極意を特定。ランキング形式による解説と、ポイントが簡潔にまとめられた構成で、気になるところからサクサク読み進められます。学習効率がなかなか上がらない子どもにはもちろん、リスキリングを始めたいと思っている忙しい大人にも最適な一冊!



構成/金澤英恵