「未来は100%、今の女性より生きやすい社会になっていると思います」


「今後確実に進化していくでしょう。今まで女性の体に関するデータが不足していましたが、今、各社は新しいデバイスを開発しながら、データも集めている状況です。「Femtech Fes! 2022」の会場にも開発段階の商品がありましたが、開発しながらデータを集めて、さらにそれを商品に生かしてアップグレードしていっています。生理痛を緩和する商品もそうですし、更年期対策の商品も。更年期の主な症状は300個もあるのですが、ピンポイントな症状に関してもそれぞれのソリューションが出てくると予想されます

解決してくれる商品が次々出てくるのはありがたいです。それぞれ購入する経済力も必要になりますが……。

「例えば、寝ている間にホットフラッシュが起きた時に、冷却して熱を下げる、ベッドに敷くパッドとか。授乳中のお母さん向けのマッサージボールとか。解決する商品がどんどん出てきています」

 

未来の道具感にワクワクします。未来の女性たちは私たちの世代より肉体的にラクに生きていけるのでしょうか? そう伺うとDr. Brittanyは”Oh, Yeah. Absolutely.”と力強く答えました。

 

「未来は100%、今の女性より生きやすい社会になっていると思います。今は社会通念として、女性が痛みを感じるのはそこまで大きな問題じゃない、と考えられています。だけど、フェムテックは、女性だからといって痛みを我慢する必要はない、という考え方で開発されています。例えば出産時に、会陰が裂けてしまうことがある。それもよくあることだと言われていますが、もう耐える必要はありません。会陰を広げて裂けないようにするデバイスも、今後開発されて出てくることでしょう」

出産をサポートするフェムテックが開発されたら、少子化問題の解決にもつながるかもしれません。今まで解決策がもらえなかった女性の問題に、光明を与えるフェムテック。Dr. Brittanyご自身は、フェムテック市場の情報を検索できるプラットフォームを開発中とのこと。体の悩みに対する解決策がスピーディにもたらされそうです。願わくば日本でも使えると良いのですが……。

イラスト/辛酸なめ子

日本ではフェムテックという言葉には最先端でクールな印象があるように思います。若いミレニアル世代がリードしているのも、そのイメージの理由の一つかもしれません。Dr. Brittanyによると、アメリカではクールというよりも、熱い思いが渦巻いているとか。フェミニズム的な意識とも関連しているようです。

「アメリカの方がより怒りを持って取り組んでいる人が多いイメージです。なんで解決策がないんだ、という思いが使命感につながっています。日本は、一緒に学んでいきましょう、というような、アメリカに比べたら穏やかめな活動になっています。アメリカの方が若干先に進んでいますが、いずれ日本もアメリカのようになっていくのかもしれません」

日本では、フェムテックというと、デリケートゾーンケア関連の商品が豊富なイメージですが、アメリカのフェムテックカルチャーの影響で、今後革新的なデバイスが開発されるのを期待したいです。

未来は、きっと若い世代に「昔は生理痛っていうのがあってね」なんて苦労話マウントをしているのかもしれません。フェムテックへの情熱をほとばしらせるDr. Brittanyと同席し、並んで写真を撮っていたら、それだけで体が暖かくなって血行が良くなった体感が。これからも歩くフェムテック、Dr. Brittany先輩の背中を追うことで健康意識を高めたいです。
 

(次回、文房具の魅力に溺れます!)


構成/露木桃子
 

 

前回記事「未来の人類は「生理痛」とは無縁になっているのかもしれない【Femtech Fes!2022レポ前編】」>>

 
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