渋谷区から八ヶ岳に移住。焚き火を囲みながらの打ち合わせで得たもの


——出演が決まってからの打ち合わせは寒竹監督の八ヶ岳のご自宅で行なわれたそうですね。満島さんも佐藤さんも、そこでの時間が有意義だったと語っています。

寒竹:最初にひかりちゃんが決まったときに、我が家に来てくれることになって、焚き火で焼き芋をしながら打ち合わせする、みたいなことが恒例になっていたんですよ。プロデューサーが私の家を療養施設か何かと思い込んでいて、勝手にみんなを呼ぶので(笑)。その流れで健くんも参加することになって。でも、山の中なので静かで空気も澄んでいて、自然といつもよりぶっちゃけた話し合いになって、そういう時間が持てたのはよかったなと思います。

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そのときに、ひかりちゃんと健くんが並んでビールを飲んでいる姿がとても素敵で、良いカップリングになるんじゃないかなという予感がしました。

——寒竹さんのライフスタイルが気になるのですが、八ヶ岳には何年前から住まれているんですか?

寒竹:7年〜8年ぐらい前からですね。それまでは神泉(東京都渋谷区)の交差点近くにあるマンションで首都高を見下ろしながら生活していました。窓が3重の部屋で、自然なんか目に入らないし、風の音も花の匂いも分からないような環境で暮らしていて。30代前半で、ふと「これじゃあダメだ」と思い立って、誰も知り合いのいない八ヶ岳に移り住みました。

——コロナ禍を機に今は“脱東京”に関心を持つ人が増えていますが、八ヶ岳で暮らし始めてどんな変化を実感しましたか?

寒竹:私は東京生まれで東京しか知らなかったので、単純ですが、山を見ると感動するんですよ。季節の移ろいが如実に分かるし、そういうことに感動するということは、やはり何かが足りていなかったのだと思いました。

 

家を探しに中央道を車で運転していたときに、相模湖辺りで山を見ていたら本当に涙が出てきて……。そこで自分の状況に初めて気づきました。

冬は薪を割らなきゃいけないし、暮らしは何かと大変ですが、私にとってはこっちの方が自然体でいられます。以前は定期的にネイルサロンに通ってましたが、なんだかそれさえも重く感じられて。いろいろ不自然なものをくっつけながら生きていたことに気づきました。