どんなに好きでも、自分を苦しめる人とは一緒にいられない


「きっと誤魔化すだろうなと思っていましたが、夫は意外にもあっさり浮気を認めました。私は怒りに任せて問い詰め、彼は平謝り。正直に話してくれたのはいいのですが、それにしても事実が酷すぎて……絶望しました」

経営者の遊び仲間も多く、もともと交友関係が派手だったご主人。実は彼は、結婚後も毎晩のように飲みに出かけていました。その先はキャバクラやラウンジ、または素人の女性を一時的に接待相手に雇うギャラ飲みなど。激しく深酒をするのが常で、酔うとその場にいる女性と関係を持ってしまう……ということが多発していたそう。

カフェに来た女性は数回会ったけれど深い関係ではないと弁明されたそうですが、真面目な男性ではないことは多少わかっていても、これほど女遊びが激しかったことを美月さんは知りませんでした。「英雄色を好む」などと言いますが、これは目の前が真っ暗になりそうな展開です……。

「私は、夫の女遊びを容認するために別居婚と事実婚を選んだわけじゃありません。でも彼は違った。彼を心から信頼していたし、本当に好きだったのでショックが大きすぎて。どうしたら良いかわからず、有名な占いに行ったりもしました。『ご主人は病的な浮気症だから変わらない。反省してもまた同じことが起こる』と言われまた落ち込んで……」

 

「一度目の結婚で散々大変な思いをしたのに、またこんな風に傷つくなんて心底自分が情けなかった。冷静になれば、占い師でなくても夫の浮気癖は直らないだろうことは分かります。どんなに好きでも、自分を傷つけたり苦しめる人とは一緒にいられない。だから離婚しようと言いました」

しかし、ご主人は離婚に猛反対。遊び癖は長年の習慣のようになっていて、自分でもコントロールができなくなっていたのだと美月さんに必死に謝罪し、離婚はしたくないとせがみました。

 

「なら、あなたは生活を改められるのか? 信用を挽回できるのか? と何度も話し合いました。私は浮気に苦しめられる妻になるつもりはない。あなたに更生できる自信がないなら絶対に別れると伝えると、彼は今の環境にいるとどうしても流されてしまうから『原因を断つ』と言ったんです」

そうして彼は、なんと地方移住を提案。

東京に住んでいれば、長年の友人や遊び仲間とどうしてもつるむことになり、再び誘惑に晒されたらどうなるか自信がない。ならば、誘惑のない環境に変えてしまえばいい。知り合いのいない場所へ引っ越そうという考えでした。