“飲み”の場が生む男女の不公平


ちなみに経営者であるひろゆきさんから見ても、日本の職場は男性優位になりがちだと感じるそうです。

ひろゆき:僕の場合、職場でできた友達というと男性しかいないんですよ。女性の従業員には敬語を使い続けているし、LINE交換をしたこともない。ましてや「メシに行こう」とか、職場の外へ誘うことは絶対にないですね。それはやはり、距離の取り方が難しいから。もちろん職場では普通に会話するんですよ。でも関係性を誤解されたり、セクハラと受け取られてしまったりするのが面倒なので、どうしても女性とは必要以上に仲良くしようとは思わないんですよね。

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そうするとどういったことが起こるかというと、男性従業員から入ってくる情報量のほうが圧倒的に多くなるということ。僕は経営者なので会社でトラブルがあれば対処するわけですが、たとえばわざわざ上司に報告するほどではないけれども小さな不満がある、ということはありますよね。そういったことも飲みの席だと気軽に話せたりするじゃないですか。で、僕は経営者である以上、耳にすると「じゃあ手を打っておこうかな」となります。

 

これは裏を返せば、女性従業員の抱える小さな不満は上の耳に届かず揉み消されがちになる、ということ。最近は女性従業員ともリモートで個別にやり取りすることがありますが、これはあくまで仕事の場なので必要な話しかしません。結果、職場は基本的に男性視点で回っていくようになる。女性の社長や上司が増えれば逆の現象も起きるんでしょうけど、日本はその数が少ないので、どうしても女性のほうが不満が貯まりやすくなりますよね。

ちなみに僕の妻は、ダイバーシティ意識の強いIT業界に勤めています。同僚の女性が役員になるなどとくに男性社会ではないようで、女性だから働きづらいといった不満を聞いたことはないですね。