「今できる役はこの瞬間しかない!」という気持ちで、舞台のセンターに立つのを楽しむ


古川さんはミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のロミオ役、やミュージカル『モーツァルト!』のヴォルフガング・モーツァルト役、そしてミュージカル『エリザベート』でのルドルフ役、トート役など、ミュージカル俳優なら「ぜひ一度は挑戦したい!」と憧れる数多くの作品に出演、そしてどんどんキャリアアップを図っています。メインキャストのひとりから、主役、主演というセンターに立つ立場で作品に関わることになってきたことで、気持ちに変化はあるのでしょうか。

古川:楽しんでいると思います。以前も楽しかったですけど、今はより楽しんでいる気がするんです。

 

――その理由はどういったものなのでしょう。

古川:年齢を重ねたから、ではないでしょうか。年齢を重ねることによって経験を積んだ余裕もありつつ、それによって「今できる役というのが、この瞬間しかない!」と思えるようになったんです。ついた自信を感じながら、この役をやれている時間にとても感謝しながら楽しまなくちゃ! という思いでやっています。やはり、“年齢によってできる役”というのがあるんですよね。たとえば、『エリザベート』のトートは年齢を意識しないと思うのですが、『モーツァルト!』のヴォルフガングなどは若い人、新しい人がやる役だと思うんです。僕たちが何回もずっとやっていてはダメで、あの作品でどんどん新しいスターが生まれることが大切なのかなって。そこに『モーツァルト!』という作品の良さがあるんですよね。だからこそ、あまり居座ってはいけないかなと……。でもいい作品なので、やりたいんですけど(笑)。

――今回のミュージカルコンサートのゲストには、宝塚歌劇団のトップスター時代にルドルフ役もトート役も、そして退団されてからはミュージカル『マドモアゼル モーツァルト』で女性版のモーツァルトを演じられた明日海りおさんもいらっしゃいます。どんな印象をお持ちでしょうか?

古川:実は明日海さんとは前回のコンサートで初めてご一緒させていただいたんです。前回のあの短い時間では物足りない感じがあって、もう一度ご一緒したいという気持ちがありお声がけさせていただいたら見事にOKをいただけて(笑)。前回はすごくかしこまってしまったので、もう少し踏み入った感じにしたいです。おっしゃる通り、明日海さんはトートやルドルフもやられているんですよね。だから、そういう話もできたらいいなと思っています。パフォーマンスも最高にしびれる方なので楽しみです。

 

――最近は大作ミュージカルへの出演のほか、ドラマなどにも積極的に出演されている古川さん。これから目指す目標はどこにあるのでしょうか。

古川:ミュージカルはもちろんですが、映像はもっと頑張っていきたいと思っています。ミュージカルと映像の違いですか? なんでしょうね。大きさ、サイズ感……。稽古を積み重ねて表現する舞台とは違って、映像では、いろんなものを柔軟にパっとできる方が残っていく世界だと思っているので、頑張ります!