「感冒症候群」の原因となるウイルスは100種類以上!


山田:「感冒症候群」の原因となるウイルスは100種類以上と言われており、多様なウイルスが原因で起こる病気です。多様な病気の集合体ですから、「風邪」とひとくくりにして、その傾向や根本的な治療法を見出すのは難しいのです。

 

編集:なるほど……。「冬に風邪が流行る理由はこれだ!」という、ハッキリした答えはないのですね。

山田:そうですね。その診断方法から、症状には共通点があったり、基本的に特別な治療を必要としなくても回復するという点でも共通していますが、その他の点についてはすごくバラエティに富んだ感染症の集合体なのです。ですのでおっしゃる通り、「なぜ冬に感染症が多いのか」という理由も、分かっているようであまり分かっていません。

編集:どうしても、「なぜ?理由は?」と気になってしまいます。

山田:もちろん、いくつかの仮説は立てられていますよ。ただ、これらの仮説はモデル研究といって、「現実世界をどこまで反映しているか」がはっきりしていない研究を基にしています。このモデル研究で起こった結果が現実でも起こっているかと言えば、そうでない可能性もありうるので注意が必要です。

編集:ちなみに、どんな仮説があるのでしょうか?