高校生活を満喫されている悠仁さま

2022年9月、悠仁さま16歳のお誕生日のポートレート。写真/宮内庁提供

悠仁さまは、2022年春に中学校を卒業され、筑波大学附属高等学校にご入学されました。バドミントン部に入り、部活や遠足などの学校行事にも参加されているようです。

「きちっと部活などもしながら勉強に励んでいるということで、順調に高校生活を送っていらっしゃるようです。
成績が話題になることもあるようですが、多くの人が高校時代に赤点の1つくらい取っていることを想えば、そのくらい青春の思い出のひとこまでしょう。そんなふうに捉えて静かに見てあげればいいのかな、と思います。

皇室という立場を離れて、友だちと普通にざっくばらんに付き合って話ができる。一生懸命高校生活を満喫したい時期ですから、静かな環境の中で学園生活を続けられるようにと願っています」

 

学校以外の活動で心に残ったことはありますか。

「お住まいのある赤坂御用地は、広くて自然の環境に恵まれています。悠仁さまはお米を育てたり、トンボの生態観察はじめさまざまな生き物を調べたり、自然に親しみながら研究したり育てたりすることがお好きといいます。

悠仁さまの自然に対するふれあいの度合いは、同年代の都会の子どもたちに比べればはるかに多いと思います。
学校の授業の一環ではなく、自ら好きでなさっておられ、人格形成の上でも大事なことです。
昭和天皇はじめ、上皇さま、父親の秋篠宮さまも自然界をフィールドにした研究をされており、その流れをぜひ受け継いでいただきたいですね。

あわせて、こういった成長のご様子を映像とともに国民に知ってもらう必要もあると思います。
将来天皇になられる方ですから、国民は成長の過程を、その都度知ることで、親しみが一層醸成されるのだと思います」

紅白のお召しもので、華やかに。写真/JMPA

将来の皇室についてはいかがでしょう。

「佳子さまのご公務が多いのは、皇族の数が少ないという背景もあると思います。皇族とはいえ、生身の人間ですからやがて女性皇族は結婚して皇室を離れ、あるいはお年を召していくのは紛れもない事実です。

皇位継承のあり方、皇族全体の減少に伴う皇室の課題をいつまでも先送りするわけにはいきません。
政治が真っ先に検討すべきことですが、国民としても『これからの皇室』を頭の中で描きながら将来の皇室について整理していく必要があります」


●大久保和夫(おおくぼ・かずお)
毎日新聞客員編集委員。宮内庁を中心に、皇宮警察をはじめとする皇室関連の取材を続けている。皇室を通して日本と日本人について考えることを大きなテーマにしながら、70歳を過ぎても現役記者として活動している。


●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)

出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に、『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(こう書房)、『美智子さま あの日あのとき』カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へ―』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、 『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

 


取材・文/高木香織
構成/片岡千晶(編集部)