刺激を受けて成長できるバディと、同級生みたいに近いバディ


ーー入間みちおと坂間千鶴の絶妙な掛け合いも本作の大きな見どころです。黒木さんには2人の関係性がどのように見えていましたか?

黒木:みちおは坂間にとって師匠であり、兄であり、同僚でもあります。正義を突き詰めていく方法は違いますが、根底にある考え方は同じ。だからこそ、予測不能の行動で振り回されても、嫌味を言われても、坂間はみちおのことを信頼しているのかな。すごく素敵なバディですよね。映画でも、みちおの言葉に刺激を受けて坂間が成長していくシーンがあるのですが、そういったシーンに説得力を持たせることができるのが竹野内さんの凄さだと思います。

 

ーー映画版には、坂間の新たなバディとして人権派弁護士の月本信吾(斎藤工)が登場します。2人が急接近して坂間がドギマギする珍しいシーンもありましたね。

黒木:斎藤さん演じる月本とは、同級生みたいな近さがあって。みちおとは違ったベクトルで正義を追求する姿に惹かれたのかな。ただ、坂間は恋心を自覚するのが遅い人なんです。自転車を二人乗りするシーンでも、キュンキュンするのではなく、予想外の高揚感に困惑して戸惑いの表情を見せるぐらいが坂間らしいのかなと。坂間の恋心に関しては、監督とも相談しながらかなり慎重に考えて表現しました。お相手が斎藤工さんなので、無意識のうちにキュンが出てしまっていたかもしれませんが(笑)。

 

ーー斎藤工さんとは初共演だったそうですが、一緒にお芝居した感想を教えてください。

黒木:斎藤さんは、テイクを重ねる度に違うアプローチを見せてくださるんです。だから私も毎回新鮮な気持ちで演じることができましたし、監督としての目線もお持ちの方なので、共演できてとても刺激になりました。