熱海の梅は“日本一、早咲き”だそう。暖冬とはいえ冬景色にも飽きてきた2月初旬、そろそろお花見がしたくなったので熱海に向かいます。東京から熱海は電車で49分、車は2時間弱の近距離。もちろん、今回も愛車でGOGOです!

のんびり出発しても午前中には第72回熱海梅園梅まつり(今年の会期は3月6日まで)に到着。楽ちんだわ。だから熱海は好き。大道芸や猿まわしをチラ見しながら、梅園をゆるゆると散策。梅は香りがよいので、いろんな種類の梅をくんかくんかと嗅ぎまくり、お抹茶とお饅頭をいただいてから、そろそろ宿へチェックインします。

若い頃は憧れだった、江戸時代から続く高級旅館が「星野リゾート 界 熱海」として生まれ変わって人気らしく、今回はこちらに。夕食はもちろん、朝食も部屋でいただけるし、日本料理に飽きたら別館でフレンチもチョイスできるとのこと。特に連泊する場合はそれってかなりの高ポイントですよね。
また、こちらの2つの湯殿は日本三大古泉のひとつ、伊豆山温泉「走り湯」を汲み上げた源泉かけ流し。部屋から湯殿までは170段の階段と坂道を上り下りするのですが、かつては名将や政財界の大物も入浴した名湯、何だかご利益もかなりありそうだし、何より風情があってええじゃないか!! 日ごろの運動不足も一気に解消できそうです。

チェックインしたらまずは温泉へ。本日は「走り湯」が婦人用。隈研吾氏デザインの「古々比の瀧(こごいのゆ)」は明日の朝風呂のお楽しみにします。「走り湯」の手前にある空中湯上がり処「青海テラス」は、目の前に広がる空と相模湾を掛け軸に見立てて、樹齢70年の梅の盆栽が飾られている“空中盆栽BAR”に変身していました。“コタツにミカン”のしつらえも素敵です。この空中盆栽の発案者であり、盆栽作家の中村康宏さんがちょうど日々のお手入れに来ていたので、ちょっとだけ話を聞くことに。


「盆栽は敷居が高いイメージを持たれる方が多いのですが、本当は自然の一部を切り取った風景を再現しているだけなんです。自然の中に盆栽を戻してあげることで、違和感なく風景に溶け込めたのだと思います。堅苦しいものじゃないので、盆栽を生活の一部に取り入れていただきたいですね」と中村さん。年末に購入した我が家のミニミニ盆栽は、コケが茶色く枯れてすでに瀕死状態・・・・・。りっぱな胞子が生えまくっていた中村さんの盆栽作品を横目に、やはりプロ中のプロは違うわ。関係ないけどイケメンだし。私もうちのコをもっと手厚く毎日可愛がらなきゃ! と心の中で誓う私。
さて、湯冷めしないうちに部屋にもどります。ゆったりとした部屋はとても静か。日本料理のフルコースをのんびりと、しかし絶妙なタイミングでいただくことができました。


「星野リゾート 界」では各地ならではのお楽しみ“ご当地楽(ごとうちがく)”を提供していますが、ここは熱海芸妓の舞やお座敷遊びを無料体験できるそう。夕食後は大広間でサービスの梅酒や梅ジュースをいただきながら、小さくて可愛らしい芸妓さんの舞を楽しみ、生まれてはじめて“投扇興(とうせんきょう)”にも挑戦してみました。投扇興は的と扇と台の組み合わせに、源氏物語からとった54種類の名前と点数がつけられていて、満点はこんなことがこの世におこるのかと思うほどミラクルな組み合わせの「夢浮橋(100点)」。芸妓のしずかさんは、過去に「帚木(80点)」をご自身で出したことがあるそう。とにかく完全に手首と指の力を抜かないとかすりもせず、私は10回中2回(末摘花で2点)しか出せませんでした。何ごとも欲張りすぎるとうまく行きません、ダメですね。


翌日は別館のヴィラ・デル・ソルで朝食をいただくことに。国の登録有形文化財にも指定されているクラシカルな洋館で、フレッシュジュースや地元の契約農園で採った野菜たっぷりのサラダなど、クリアなおいしさの贅沢な朝ご飯に満足。畳みかけるような温泉&美食の連続ワザですっかり生き返りました!
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別館ヴィラ・デル・ソル。こちらに宿泊して「走り湯」と「古々比の瀧」を楽しむこともできるそう。
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温泉に何度も入って体調も絶好調。朝から食欲全開で、すべてをおいしくいただきました。
ジュースもコンフィチュールも地のものを使っていて美味。豊かで贅沢なひとときに感謝。
さて、箱根神社と伊豆山神社に参拝して「走り湯」につかるコースは、古くは源頼朝や徳川家康、近代でも政財界の大物が必勝祈願にこっそり行っていたのだとか。そんな話を耳にしたのも何かのご縁なので、そろそろチェックアウトして、伊豆山神社にご挨拶に。そしてリアルライフにもどります~~。
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