満腹でも食べたい「別腹」の正体とは?

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ケーキやアイスクリーム、まんじゅうなどを目にすると、満腹のはずなのに、なぜか食べたくなってしまうことがあります。いわゆる「別腹」と言っているものです。これは、「食欲」を満たすための食事ではなく、「快楽のための食事欲」といわれる行動です。この欲求にも体内時計が関係しており、朝の活動期よりも、夜の非活動期に起こりやすいのです。

特に、甘いもの、脂肪の多いものを食べたくなるのは、喜びをもたらし、嗜好や依存にかかわるドーパミンというホルモンのしわざです。このドーパミンは夜、出やすくなるのです。ドーパミンは夜食のカップラーメンをやみつきにさせるホルモンでもあります。

 

食後にデザートを食べたくなったら、乳脂肪分高めのアイスクリームよりは低カロリーや低糖質のアイスクリームがよいでしょう。豆乳や低カロリーの甘味料を使った商品もたくさん出ています。私は夕食後に大福もちを食べたことがありますが、夕食で上がった血糖値がさらに高くなりました。やはり、夜遅い時間のデザートには注意する必要があります。


著者プロフィール
柴田重信(しばた しげのぶ)さん:

早稲田大学理工学術院先進理工学部電気・情報生命工学科教授。1953年生まれ。1976年九州大学薬学部薬学科卒業。1981年同大大学院薬学研究科博士課程修了。薬学博士。早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より現職。日本時間栄養学会会長などを務める。監修書に『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社TJMOOK)、共著書に『Q&Aですらすらわかる体内時計健康法─時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康─』(杏林書院)、著書に『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病』(講談社ブルーバックス)など多数。

『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい』
著者:柴田重信 講談社 968円(税込)

脂肪のたまりやすい時間、筋肉のつきやすい時間、体温や血圧が変化して元気になる時間など。すべての細胞には時間遺伝子があり、時間によって身体の状態が変化することが解明されるなか、その知識をベースに肥満を防ぎ、生活習慣病にならない食事法を伝授します。特別な食材や器具を用意することなく、すぐにでも実践できるのが魅力です!


構成/さくま健太