誰かを必要とすることも、誰かから必要とされることも、すごく大切
――映画の中でも、人と関わり、共に暮らすことで、傷が癒やされていきます。人の存在が傷口を塞ぐことはあるんだなと改めて感じました。
この仕事を始めて、ちょっと名前が売れはじめたときに、「何があっても、味方だよ」って言ってくれる人がいて、それが今でも心に残っていて。よく聞くような言葉かもしれないけど、そんなふうに言ってくれる人がいるってすごく大事だし、家族に限らず、そういう存在を増やしていったら強くなれるんじゃないかと思ったんですね。
いろんなことがあるだろうから100%とは言えないかもしれないですけど、基本的に僕は一度仲良くなった人を嫌いになることはない気がしていて。そういう関係を構築できた人が何かに失敗したり大変なときに、「最終的に健太郎がいてくれるから大丈夫」と思ってくれたらうれしいじゃないですか。
誰かを必要とすることも、誰かから必要とされることも、すごく大切。人の存在によって気持ちが救われたり、もう一歩前に進むための心強さをもらえることは僕にもよくあります。
――ただ健やかに生きることが難しい時代だからこそ、心のふれ合いを大事にしたいですよね。
心もだし、肉体的なふれ合いも僕は大事にしたいです。僕、ハグをよくするんですね。飲み屋とかでもマスターに「今日はありがとう!」ってハグすることが結構あって。普段あんまりしないじゃないですか、ハグって。
――まずしないですね。
でも、ハグをするだけで心が丸くなるんです。昔、ある本で読んだんですけど、認知症のおばあちゃんに対して、毎日肌をさすってふれ合っていたら、認知症の進行スピードが遅くなったという研究があるらしくて。
人と接する機会が極端に減っている時代だからこそ、ちゃんとガバッ! ってすることは大事だと思いますね。
坂口 健太郎 Kentaro Sakaguchi
1991年7月11日生まれ、東京都出身。2014年に俳優デビュー後、ドラマや映画に多数出演 。17年、『64-ロクヨン-前編/後編』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。18年に「シグナル 長期未解決事件捜査班」で連ドラ初主演。近年のおもな出演作に、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」「ヒル」「競争の番人」、映画『余命10年』『ヘルドッグス』など。主演ドラマ「Dr.チョコレート」(日本テレビ系)が4月22日(土)22時〜放送スタート。
<作品情報>
『サイド バイ サイド 隣にいる人』
出演:坂口健太郎
齋藤飛鳥 浅香航大 磯村アメリ
市川実日子
監督・脚本・原案:伊藤ちひろ
製作:「サイド バイ サイド」製作委員会
4月14日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
©2023『サイド バイ サイド』製作委員会
撮影/中垣美沙
取材・文/横川良明
構成/山崎 恵
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