「健康診断」の意義を、あらためておさらい!


山田:そして、「健康診断」というと「健康を診断してくれるもの」と誤解されることも多いかもしれませんが、そうではありません。

「健康診断」はあくまで「健康状態を大雑把に調べる」ためのものであり、このような検査は「スクリーニング検査」と呼ばれています。

「スクリーニング」というのは、症状のない人から病気を拾い上げることを指します。異常を「拾い上げる」だけで「診断」ができるわけではないので、健康診断で異常が出たら、必ず「二次健康診断」を受ける必要があります。

編集:少し、誤解していました。痛みなどがない場合、受診の必要性を感じることが難しいかもしれません。

 

山田:そうですね。検査で異常が出たからといって、必ずしも病気につながるわけではありませんが、「次のステップに進む」ということが非常に大切です。健康診断で見つかる「異常」は、ほとんどの場合自覚症状を伴わないため、当事者にとっては、病院に行く意義を見い出しにくいものです。けれど、5年後、10年後のあなたを病気から守る、未来への投資になりますので、症状がなくても病院を訪れていただきたいですね。

編集:「健康診断」を受けて、異常が出たら必ず受診する。徹底したいと思います!

山田:また、「健康診断」には含まれていない、地方自治体の事業として行われる「がん検診」も非常に大切です。「がん検診」は、比較的世界で構築されてきたエビデンスに基づいたもので、ほとんどの市町村で公費によりその費用負担がされており、一部の自己負担で受けられるようになっています。国が推奨している「がん検診」は5種類あり、「胃がん検診」、「子宮頸がん検診」、「肺がん検診」、「乳がん検診」、「大腸がん検診」と、それぞれ対象年齢が異なります。「健康診断」とあわせて、該当する「がん検診」を、きちんと受けていただく必要があります。

編集:40歳以上になると、該当となる「がん検診」が急に増える印象です。こちらも、欠かさずに受けたいと思います!

ちなみに、「健康診断」を受け異常を見つけたらきちんと受診し、さらに「がん検診」を受けていれば、「人間ドック」は受けなくてもよいのでしょうか?