変わってきたのは本当に最近。以前ならカラオケでK-POP入れられなかったです
はしも:『太王四神記』はドラマもそうですが、東方神起が歌っていた主題歌「千年恋歌」がすごくよくて。そこからK-POPにもハマっちゃって。王道っちゃ王道の韓国カルチャーファンですよね。
アツミ:OST(オフィシャルサウンドトラック)も韓国ドラマの魅力ですよね。東方神起といったら私はキム・ジュンスの声が大好きで。ラブストーリーが盛り上がって、ここぞ! というときにジュンスの歌声が流れてくると、きたー!! って思います。最近では『エージェントなお仕事』のラブソングもすごくよかった。
アツミ:はしもさんの最近のお気に入りのOSTとかありますか?
はしも:最近すごい好きなのは「Rothy(ロジー)」というアーティストで、『キム秘書はいったい、なぜ?』とか『ロマンスは別冊付録』のOSTに参加しているんですけど。
はしも:あとは「ダビチ」。高校時代から好きなK-POPアイドルというか、アーティストというか。
アツミ:「ダビチ」は、『愛の不時着』の「SUNSET」とか、『太陽の末裔』の「THIS LOVE」とか、日本で爆発的にヒットした作品はもちろん、ほんとに多くの作品に参加していますよね。
はしも:でも以前はこういうことあんまり言えなかったんで。変わってきたのは本当に最近ですよ。「ダビチって、なにそれ」って感じで。ダビチのカン・ミンギョンって言っても絶対に伝わらなかったんで、ずっと身を潜めていたんですけど。
アツミ:わかります。私は意外と鈍感なので平気だったんですが、周りの友達の中には「韓国ドラマが好き」「KーPOPが好き」っていうと、周囲に変な目で見られるから言わない、という人がすごく多かったです。「絵にかいたような王子様(→ヨン様)を夢見る欲求不満のおばちゃん」みたいな、バカにするような空気もあったし。だからそれこそ「隠れキリシタン」みたいな状況で。
はしも:めっちゃわかります。僕も以前ならカラオケとか行っても、K-POP入れられなかったですよね。決して変な意味じゃなく、なにこの曲、知らないけど、え、韓国語で歌うの? みたいな空気があったし。一部の好きな人同士だったら一気に盛り上がれるんだけど。でもSNSでバズり始めた時には、そういう「隠れキリシタン」たちが、僕の発信で一斉に声をあげたな! っていう感じがありましたね。団結力が強い気がします。
アツミ:私、2015年ぐらい、それこそ東方神起が5人だった最後の頃、初めてお仕事した編集者が『冬ソナ』から始まるユン・ソクホ監督の「四季シリーズ」のファンで意気投合して。彼女は同時に東方神起の大ファンで、「これ見て! 返すのはいつでもいいから!」とDVDを手渡されて布教されて。それ以降、彼女の仲間の「Kポアイドルファン」の軍団に組み込まれて、月に何度も朝までカラオケにいってました。Kポ縛りで。
はしも:えー、すげえ。めっちゃ楽しそうじゃないですか。
アツミ:マニアックな話ですが、BIGBANGのTOPのラップに追いつこうと謎の必死さ発動して、分かりもしない韓国語で歌ってました。大晦日にカラオケボックスの大部屋借りて、30人くらい集まって「Kポ紅白」とかやってました。
はしも:最高じゃないですか。僕にはそういう仲間はいなかったんですよね。東京に出てきて新大久保でアルバイトしてたので、その韓国人の友達とは言ってましたけど。
アツミ:発露する場所が他になかったから、楽しくて楽しくて、みんなちょっとおかしくなってたと思います(笑)。そんなんだったんで、2019年に『愛の不時着』に火がついても、韓国ドラマ全体のブームになるとは、正直、思ってなかったんですよ。
はしも:『愛の不時着』と『梨泰院クラス』の2作品が、いいバランスだったんですよね。『愛不時』は女性にウケて、男性は『梨泰院』にハマった。あれ少年ジャンプというか、『ワンピース』っぽいんですよね。
アツミ:日本のスタンダードどころか、世界のスタンダードなっちゃいましたね。
INFORMATION
『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』
1650円(世界文化社)
人気お笑いコンビ「スクールゾーン」はしも(橋本 稜)の初書籍。幼少期から慣れ親しんだ韓国文化の知識と、特技である韓国語を活かした「韓国あるある」は、SNSで瞬く間に話題を呼びました。今回は、その中から韓流ドラマ、ソウル、新大久保のネタをピックアップし、 写真と文章で1冊に! 独自の感性が光る鋭い切り口に、時には笑ったり、大きく頷いたり……、はしもワールドを存分にお楽しみください。
『大人もハマる!韓国ドラマ 推しの50本』1760円(大月書店)
ハマる人続出!社会派サスペンス、壮大な歴史スペクタクル、SFにアクション、スリラー……近年、質量ともに世界を席巻している韓国ドラマ。恋愛やイケメンだけではない、大人が見る価値のある厳選50作をドラマ通が熱く紹介。
撮影/柏原力
取材・文/渥美志保
構成/坂口彩
Comment