月収1万で売れっ子、厳しい芸人の世界


多田:ちょこちょこ休憩入りながら。松屋とか買いに行きましたよ。それが効率が悪いと学んだので今はもう絶対2時間しかしないですよ。さっとやってさっと帰る。

善し:芸人も働き方改革です。

──COWCOWさんといえばたくさん賞をとって、ずっと売れ続けていらっしゃるイメージがあります。下積み時代はあったんでしょうか?

多田:全然ありました。苦い汁しか飲んでないといいますか、泥水しか飲んでないという感じです。

善し:確かに大阪にいた頃色々賞とらしてもらって、やっとひとりで生活できてっていうのは経験しました。でも当時はそれが一生続くなんて思ってないですし、その時その時で何とかやっていけたということの連続じゃないですか。

多田:5年目までは1年目で1万、2年目で2万、3年目で3万もらったらすごいみたいに言われていたことを覚えています。

 

──1万っていうのは、1ヵ月の収入ですか?

多田:そう、1ヵ月ですね。

善し:もちろんそれだけでは生活できないです。バイトしつつ、舞台にも出て、芸人としてのお給料が1万円っていう。

多田:それもらえたらすごいみたいな。

 

──月1万円っていうのは、舞台に何回出てなんでしょうか。

多田:よく言われているのが、1舞台500円で、税金引かれて450円。だから月1万円もらえたら結構な数やんっていうことですよね。

──1万円が売れっ子の指標みたいな感じなんですね。

善し:そうですね。毎週何かに出てるってことですから。

多田:劇場派閥というのがあって、うめだ花月劇場の僕らは全然もらってなくて、2丁目劇場(心斎橋筋2丁目劇場)の方は5年目で5万とかもらってるらしいでみたいな話をよく聞いていました。僕らは5年目でも月5万はなかったという感じでした。それからABCお笑い新人グランプリをとらしてもらいましたけど、まだちょっと仕送りをもらってた記憶もあります。芸人として食べていけるまでにはなってなかった。やっと5年目ぐらいの時に一人暮らしもできるようになったかなという感じでしたね。