私ごとですがちょっぴり痩せました。もはや何を抜いても変わらず「これが加齢か!」とあきらめていたのに!
きっかけは病院食。この3月にオトナの中耳炎にかかり投薬のため1週間以上入院(体はピンピンしているんですよ…!)。ただ入院しているのでは悔しいと、セルフ「ライザップ」してやる~と思い立ち、病院食以外の間食を一切禁止。もちろん禁酒。そして食事が唯一の娯楽なので、15分以上かけてゆっくり食べる…すると気づきました。しっかり食べれば間食しなくても、ひもじくないことに。そしてバランスいい食事は意外と炭水化物も油もしっかり摂ることに! ついでに薄い味つけになれてしまい、これまで塩分や刺激物を摂り過ぎだったと気づかされました。
退院後も、お盆に載る6~7皿におかずやご飯をよそって、バランスよく、美しく盛り付ける「おしゃれ病院食ダイエット」を実践。けっこうなボリュームですが、それをじっくり時間をかけて、ありがたくいただく。そうすると無駄な間食もドカ食いもなくなり、外食もアルコールも特に制限していないのに、体重、脂肪率ともにするっと落ちてきました。心なしか筋肉もついた気が。うーむ、問題はカロリーではなく、なにをどうやって食べるかだったんですね!
と悟った時に知人に推薦してもらったのがこの本。「美人の食卓は1日2000cal 人生をキラキラさせる〝足し算″ダイエット」(講談社)です。
著者は予防医療コンサルタントでミス・ユニバース・ジャパンの食事指導も担当してきた細川モモさん。もしかしてしっかり食べる方が美容にいい? と実感した矢先だったので、いちいち納得、目からウロコでした。やはり食べたほうが痩せるのは真実だった…!
「すごいスピードで身体が変わった」と本書で語ったミス・ユニバース・ジャパン 2012のファイナリスト、岸本美穂さんの場合。朝は「みかん、ヨーグルト、野菜ジュース」で油・炭水化物抜きを貫き、「食べない=痩せる」と信じていたそう。ところが細川先生のアドバイスにより、魚中心の和食にシフトし、品数も増やすようにしたところ、体脂肪率が25.8%から21.9%にダウンし、ドレスの似合うメリハリのある身体に…! おなかやお尻のたぷっとしたお肉が引き締まっただけでなく、肌や髪の乾燥も改善したといいます。
同じカロリーだとしても、栄養素をあまり含まず「燃料」にしかならないエンプティカロリー食品では、とりあえず生きていけても身体を作ることはできません。菓子パンやビール、ダイエット食品などで空腹を紛らわすと、栄養枯渇状態になり、かえって脂肪をため込みやすい身体になってしまうのだそう。要するに「中身のないカロリー」を「中身のあるカロリー」に置き換え、燃費のいい身体を築くことが大事なんですね。ヘルシー志向の女性ほど、ジュースクレンズや糖質オフに挑みますが、筋肉を作るタンパク質、脂質や糖質を代謝させるビタミンB群が不足すると、むしろ太りやすいカラダになってしまうんですよ~!米を中心とした穀類を抜くと、ダイエット菌と言われる腸内細菌も減ってしまうのだとか。 恐ろしい!!!
ではどうするか。良質なたんぱく質をしっかり摂り、低GI食といわれる血糖値が上がりにくい食品を意識的にプラスする。白米より雑穀米、白いパンより全粒粉パンやライ麦パンがおすすめとのこと。また色鮮やかな食材には「ファイトケミカル」(抗酸化力や抗菌力を持つ物質)が含まれているので、赤、黄、緑、白、紫、黒、茶などカラフルな食材を選んで、見た目にも華やかな献立を心がける。これさえ意識すれば、コンビニ飯だってお弁当だって「美人食卓」になるのです。シンプルだけれど、深い!
これはもう、ダイエット本というより、キレイになるための食哲学本。美人になりたかったらしっかり食べるべき! だまされたと思ってぜひ手に取ってページを開いてみて。数か月後にはすっきりつやつや美人になっているはずだから。
PROFILE
間庭典子/フリーライター。取材をきっかけに走りはじめ、ランニングやゴルフなどウェルネス関係の分野でも活躍。