BMSG EAST/WESTで叶えた、ひとつの「優しいリベンジ」の形
「優しいリベンジ」をキーワードとしてBMSGの活動を捉えたとき、9月18日に発表されたBMSG EAST/BMSG WESTの見え方も少し変わってくるのではないでしょうか。
今回、9月23日よりスタートし、東京と大阪で開催される『BMSG FES’23』。その特別企画の一環として、BMSGに所属するメンバーを出身地で東西に分けたグループでの楽曲リリースが実現しました。
BMSG EAST/BMSG WESTの各楽曲のMVを見て、そのサウンドを聴いて思うのは、BMSGに所属するアーティスト一人ひとりが改めて高い実力を持ち、誰が誰と組んでも遜色ないパフォーマンスができるすごさでした。事務所の所属アーティストをシャッフルして特別ユニットをつくるという、一見するととても遊び心のある取り組みですが、その実、事務所に所属するメンバーのスキルの平均値の高さを実感できる機会にもなっていたのです。ひとつ前の項目で書いた事務所の方針を体現した取り組みであると、捉えらえることもできるように思います。
そして何より、BMSG EASTに参加し、メンバーの一員としてパフォーマンスするSKY-HIの姿が非常に楽しそうに見えたのは気のせいでしょうか。
先述の書籍の中で、SKY-HIは「もともと自分は異物である、という思いが僕にはあって。」と、これまでの活動の中で感じていた孤独を吐露していました。また、SKY-HIのように「歌うし踊りもやるラッパー」として活躍するアーティストが珍しくないK-POPシーンを「ずっとひとりでいた自分にとっては非常にうらやましい」と思っていたことも告白していました。
そのような言葉を背景にBMSG EAST/BMSG WESTを見ていると、同じ志を持つ仲間に囲まれて、歌とダンス、ラップを披露するという、SKY-HIがずっと欲しかった世界を実現できた、ひとつの「優しいリベンジ」の形だとも思えてきます。
「BMSG」という確固たる1つの世界観をつくり上げること。そして、その世界観を時代の様相を捉えながら表現し続け、自分たちが「良い」「おもしろい」と感じる音楽やパフォーマンスを信念をもって届け続けること。そうすることで、多くの人を惹きつけ、いずれは世界をも魅了する存在となることを目指しているのが、現在のBMSGの姿勢と言えるのではないでしょうか。そのような姿勢は、BE:FIRSTの新曲「Mainstream」の歌詞に書かれていた「争う気もないのさ全然」という言葉にも現れているように思うのです。
前回記事「「時代が動く音が聞こえる...!」BE:FIRST新曲にSNSザワつく。彼らは「Mainstream」で新しいカルチャーを作るのか」>>
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