ヘルシー志向の近年、見直されている食材のひとつが豆。人気カフェのオーナーがオープンした豆を食べる店や、豆が欠かせない南インド料理の店もファンが急増中だ。薄着の季節到来を前に、高タンパク低脂肪、食物繊維豊富な豆料理で体をリセット!
〝体にいい〞を追求して誕生した豆を食べる専門店
チリパーラー9(九段下)
チリビーンズから、コーヒーまで。豆をとことん味わう専門店が登場した。作ったのは『麹町カフェ』のオーナー。体にいい食べ物を追求したら、辿り着いたのが豆だったという。コーヒー豆以外に、オーガニックの豆もスタンバイ。金時豆と黒目豆は、自社農園の野菜などと「ベジタリアン チリ」に、うずら豆はオーストラリア産牧草飼育牛のミンチとともに「スタンダード ビーフ チリ」になる。どちらも調味料はオリーブオイルと塩、少しのスパイスのみ。小林優太店長の「ものすごい量の野菜と豆を煮込みますから」との言葉どおり、野菜の甘味や旨味が活きたやさしい味わいだから、食後感もすっきり。豆は、サラダや日替わりのスープにも!
南インド料理の名店で、豆料理の奥深さを知る。
南インド料理 ダクシン 八重洲店
南インドを代表するカレーのサンバル(野菜カレー)も、おつまみのマサラ・ワダも、主役は豆。サンバルは、トゥールダルと呼ばれる豆を煮て、その豆と煮汁、野菜、スパイスだけで作る。マサラ・ワダもチャナ豆と野菜、スパイスだけ。さらにパリパリの薄焼きパン、ドーサをはじめ、豆を使った料理の多彩さに、目を見開かされる思いだ。「南部の料理は、北部に比べても豆や野菜を使ったものが多いんですよ」と、南部カルナータカ州出身のオーナー、ラターさん。動物性の材料がいっさい入らないのに、辛さの中にジワリと旨味を感じる滋味深い味わいは、腕の確かな料理人だからこそ。最近増えている南インド料理店の中でも、格別なおいしさだ。
(2013年)に掲載された記事を修正・加筆したものです。
撮影/小出和弘 取材・文/齋藤優子 構成/藤本容子
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