何度でも、いつまでも味わえる「非地位財」による幸せ
一方、「長続きする幸せ」は愛情、社会とのつながり、生きがい、働きがいなどによってもたらされます。例えば仕事の場でお客様から思いがけず「ありがとう」と言われたときに感じるうれしさ。誰かの役に立ったという充実感。これらは形がなく、数値化しにくいため「非地位財」と呼ばれます。
自己肯定感の高さ、将来的に実現したい夢があることなど、ここに含まれる要素は様々ですが、この非地位財がもたらす幸せは、ひとたび感じられたら状況が変わらない限り長く続くのが特徴です。これがウェルビーイングな状態です。
他人との比較で得られるものではないという意味で、非地位財による幸せは「絶対的幸福」と言えるかもしれません。お金やモノによる幸福感よりも広く深く、確かな幸せです。私たちが目指すべきは、このタイプの持続的な幸せだと思います。
関連するおもしろい研究に、「年収と幸福度の関係」を調べたものがあります。両者は比例関係にあると考えるのが今までの常識でしょう。しかし結果は、これを一部否定するものでした。幸福度は確かに年収に比例するのですが、それは「ある水準に達するまで」のこと。
具体的には年収が7万5000ドル(1ドル=135円の場合、約1000万円)を超えるとほぼ頭打ちとなり、以後は収入が増えても幸福度にほとんど影響しなくなることが分かったのです。
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