「売上数字以外の目標を持つ」ことで挑戦する社員が増加

「リンクルショット」が大ヒットするも自信が持てない?社員の残念な思考パターンを変えたポーラの「幸せシフト」_img0
 

閉塞感を打ち破るために意識したのは、「売上数字以外の目標を持つ」ことでした。大ヒット製品をきっかけに新しくポーラのお客さまとなった方たちがどのくらい「ポーラの化粧品をまた買いたい」と思って来店してくださるか。さらには、「製品のファン」から「ポーラのファン」になっていただけるか。ポーラのブランド価値を理解し、「ポーラが好き」と言って下さる方をどれだけ増やせるかにこだわりました。

 


そしてそうしたお客さまを増やすためには、短期的な売上数字を追いかけるのではなく、お客さまにずっとファンでいていただけるよう、知識、技術、接客の力をより上げていき、ブランド価値を高めていくことが重要だと考えたのです。

化粧品がたくさん売れる店を目指すより、お客さまが幸せな気持ちになり、また来たいと思っていただける店を目指そう。「ブランド価値向上を掲げる」ことで、社員からポーラショップで働くビューティーディレクターたちへの提案が自然に変わっていきました。

目標が数字だけなら、売上のみが評価の基準となります。しかし例えば、新人スタッフのサポートをしてくれる人、レポートを的確にまとめてくれる人など、販売数時には直接表れない貢献によってリピーターを着実に増やしているスタッフがいます。

チーム全員がそれぞれの貢献で評価される仕組みができると、メンバー間に「ありがとう」という声が増え、幸せな循環が回り出し、その幸せが自然とお客さまに伝わっていく。ポーラショップのメンバーたちにいい変化を引き起こせたことで、社員が自分に自信を持つようになり、挑戦する気運が徐々に高まっていきました。