いいチームをつくることは、幸せに近づくこと

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私は、人一倍「チーム」へのこだわりがあります。長い間、仕事をしてきて、そして半世紀ほど生きてきて、一人では何もできないこと、一人では生きていけないことがわかってきた、ということかもしれません。

チームの大切さを改めて心に刻んだのは、2019年の年末に「社長になってもらうから」と辞令をうけた時でした。「及川さんには足らないところがたくさんある。だから社長になってもらう」というのがその理由でした。どういうことかと思ったら、「あなたには変えたいことがあるんでしょ。その意志が大切なんだ。そして君の周りには○○さんも△△さんもいるよね」と……。

そこでピンと来ました。「なるほど。みんなに頼って、チームをつくれということか」と。足らないところがある私だからこそ、人の良さを見出し、その人たちの力を今まで以上に発揮させることができるかもしれない。

コロナ禍の最中、社員たちには「尖れ、つながれ」という行動スローガンを投げかけました。「尖れ」とは自分で考え、自分の強みを発揮すること。「つながれ」とは仲間とつながること。主体的であれ、チームプレーを大事にしてほしいという意味の言葉です。

幸せな人には力がある。そして幸せなチームにはもっと力がある。私はそう思います。

 


著者プロフィール
及川美紀(おいかわ・みき)さん

株式会社ポーラ 代表取締役社長。ポーラ幸せ研究所 所長。宮城県石巻市出身。東京女子大学卒。1991年株式会社ポーラ化粧品本舗(現株式会社ポーラ)入社。子育てをしながら30代で埼玉エリアマネージャーに。2009年商品企画部長。12年に執行役員、14年に取締役就任。商品企画、マーケティング、営業などバリューチェーンをすべて経験し、20年1月より代表取締役社長(トータルビューティー事業本部長兼務)。 誰もが自分の可能性を拓くことができる社会をミッションに、パーパス経営・ダイバーシティ経営を牽引している。

前野マドカ(まえの・まどか)さん
EVOL株式会社 代表取締役CEO。ポーラ幸せ研究所 アドバイザー。一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科付属SDM研究所研究員。国際ポジティブ心理学協会会員。パートナーで幸福学研究の第一人者である慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏との共著書に『ウェルビーイング』(日経文庫)など。

 

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『幸せなチームが結果を出す  ウェルビーイング・マネジメント7か条』
著者:及川美紀、前野マドカ 日経BP 1650円(税込)

メンバーが幸せに働くための組織の条件とは? 今注目されるウェルビーイング・マネジメントとは? 幸福が働く人にどのように影響するのか、最新の知見と「ポーラ幸せ研究所」の調査を元に、実践の方法までを紹介します。これからの時代のチームマネジメントに悩む人はもちろん、幸せに働きたい全ての人にヒントを与える一冊!



構成/金澤英恵
 

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