今さら言うことでもないですが、僕はオタクです。しかも、推しがグッズを出そうものなら、ひょいひょい全種買い揃えてしまう、財布の紐が緩いタイプのオタクです。ただし、これまでの僕にとって、グッズとは「GET」するのが楽しいものであって、「HAVE」することに興味はなかった。だから、買ったグッズはなんなら開封しないまま段ボールの中で半永眠状態でした。

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大枚をはたいておきながら、それでいいのか。その態度は、オタクたちに喜んでほしくてグッズを考えてくれた推しや運営のスタッフの皆様方に失礼ではないか。僕のオタクマナー警察が特別警戒パトロールをやりはじめた。

なによりずっとグッズを飾っていなかったのも、どこか自分の中で「オタクは秘めるもの」という認識があったからでした。オタクはダサい。自分の趣味を人に見られるのは恥ずかしい。長年にわたって植えつけられた刷り込みがいまだに僕を支配していた。

でも、もうそういうのもいいんじゃないかと。どうせこんなふうにしか生きられないんだから、人目なんて気にせず自分の趣味を存分に謳歌したらいい。その決意表明として、部屋の中にオタク棚を設け、グッズを飾ってみることにしました。

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そこで購入したのが、Re:CENOのユニットシェルフです。狭い部屋なので、なるべく空間を広く見せるには背の高い家具は禁物。ただ、オープンラックなら抜け感が出るので、背丈があってもそこまで圧迫感は出ません。ここに手持ちのアクリルスタンドやらなにやらをずらっと並べてみました。

 

すると、なんということでしょう。控えめに言って、天国です。朝起きたら、推しのアクスタが僕を見ている。仕事で疲れたときも、ふっと顔を上げれば推しと目が合う。推しと同棲とはこのことか。しかも僕は筋金入りの複数推しなので、あっちこちに歴々の推しがいるわけです。もはやこれは同棲どころではない。大奥です。伝説の御鈴廊下は我が家でした。上様のおな〜り〜。

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これだけオシャレな部屋に住みたいとのたまっておきながらアクスタを飾っている時点でもはやオシャレはあきらめた感がありますが、大事なのは幸福度を高めること。部屋をオシャレにするのはその手段の一つに過ぎません。推しのグッズに囲まれることによって幸福度が上がっているなら、それはそれで目的達成。理想のお部屋とはつまり僕が僕らしくいられる空間なのだと、リノベーション終盤にしてようやくわかったのでした。

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『自分が嫌いなまま生きていってもいいですか?』
講談社・刊 1430円(税込)
※電子書籍は、書き下ろしのおまけエッセイ付き。

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生きづらさを抱える人たちから、共感の声多数! “推し本”著者による人気連載が書籍化。

本屋に行けば「自己肯定感」をテーマにした書籍がずらりと並ぶ昨今。
でも、実際に自己肯定感の低さで悩む人にとっては、自分を愛することの大切さは理解しつつ「そんな簡単に好きになれてたら苦労しないよ…」というのもまた偽らざる本音でしょう。

本書では、自分が嫌いなことには誰にも負けない自信のある(?)著者が、

◆「自分嫌い」を決定づけた、幼い頃からのコンプレックスや苦い経験の数々
◆大人になって日々直面する“自己肯定感が低い人あるある”
◆自分を好きになりたくて、“自分磨き”で試行錯誤した日々
◆そして辿り着いた「これ以上、自分が傷つかないための方法」

を、面白おかしく、ときに切なさも交えて綴ります。

自分のことが好きになれなくても、人に優しくすることはできるし、幸せにもなれるはず。「なりたいものになれなかった」「誰にも選ばれなかった」そんな自分と、折り合いをつけられずにしんどさを抱える人たちの背中に、そっと手を添える一冊です。


構成/山崎 恵
 

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前回記事「【リノベ失敗談、その後】限られた予算で理想を叶える取捨選択のポイントは?業者との打ち合わせでつまずいた僕が、挽回のためにやったこと全部」>>

 
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