テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手の著書『ジョコビッチの生まれ変わる食事』で注目され、モデルやセレブの中にも実践者が多い“グルテンフリー”。
グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種。粘りや弾力があり、パスタやパン、ケーキなどのモチモチ感のもとがこれ。そして、このグルテンを食事から一切抜くことをグルテンフリーと呼んでいます。人によってはグルテンの摂取によってめまいや頭痛、集中力低下といった不調が起きることもあり、グルテンフリーを実践することで、これらを解消させようというのが狙い。さらにはダイエットにも効果があると評判になっています。
でも、グルテンを含むのは食べ物だけではありません。大麦を使って作られるビールだってNG食品の一つ。「夏に冷えたビールをぐいっと飲めないなんて!」と真っ先に思ってしまった酒好きのミモレ読者にぴったりなのが、8月に日本に上陸したばかりのグルテンフリービール「Omission(オミッション)」です。
アメリカ・オレゴン州ポートランド生まれの「Omission」。「全米で住みたい街ランキング1位」を獲得したことがあり、独自のライフスタイルで人気のこの街には、クラフトビールの醸造所が数多く点在し、街のあちこちで美味しいビールを味わうことができます。
「Omission」も普通のビールと同様に、大麦、水、ホップ、酵母(イースト)を用いた伝統的な製法で作られています。通常のクラフトビールと違うのは、製造途中にある酵素を加えることで、グルテンタンパク質を分解してしまう点。つまり、途中でグルテンを「omit(省く)」のです。もちろん、FDA(アメリカ食品医薬局)が定めるグルテンフリーの基準値を大幅に下回ってクリアしています。
「そんなことをしたら、ビールのコクやうまみが損なわれるんじゃないの?」
という心配はご無用! 通常のビールと遜色なく、むしろクラフトビールならではのホップの香り高さや、味わい深さたっぷりの仕上がり。「グルテンフリー」と言われても違いが分からないほどの自然な味わいです。
日本でも最近、グルテンフリーのビールが登場していますが、現時点ではそもそも麦芽を使用しない「第三のビール」のみ。「Omission」はビール本来の味を大切にするために、麦芽はしっかり使い、あとで酵素によって分解するという独自の製法を編み出したそう。
飲みやすくてキレの良い「ラガー」と、ホップの風味が濃厚な「ペールエール」の2種類があり、気分や料理によって合わせることも可能。ボトルのデザインやカラーリングのセンスがいいところもポイント高し。
個性的な味わいと健康志向を兼ね備えたグルテンフリービールで乾杯!
黄色いラベルが「ラガー」で、青いラベルが「ペールエール」
1本445円(参考小売価格、税別)。一部スーパーやamazonなどで販売。
PROFILE
吉川明子/出版社、編集プロダクションなどを経てフリーへ。週刊誌、雑誌、Webサイトなどで執筆、編集を行う。旅と食べることと本が好き。人生の3分の2は減量のことを考えてきた。