最後にご紹介するのは、ミモレではおなじみの〝FUEGUIA 1833〟。天然の香料を、自社で栽培から抽出、研究リサーチ、調香まで行っている世界で唯一のブランドです。こちらのブランドも、今まで嗅いだことのない新鮮な香りに出合えます。複雑に絡み合う植物の香りを感じつつも、透明度が高く、空気に溶け込んでいくような、そんな柔らかく、たおやかな香り。

調香をしているジュリアン・ベデル氏は、毎年かなりの数の新作を生み出しています。いったい彼の頭の中はどうなっているのだろう? という素朴な疑問をぶつけてみたのですが、
「ジャパニーズ スタイル(笑)」との答えが。相当にフル回転されているようでした。

また、フエギアのフレグランスは、相当な研究リサーチから生まれています。もちろんジュリアン氏のアーティスティックな部分も相当だけれど、徹底した分析をすることから香りづくりはスタートすると言います。
「植物ありきでスタートします。この植物は何者なのか? を追求し、理解を高めていくと、自然と創造的なものができあがるんです」とジュリアン氏。そのため、その植物がもつ芳香はもちろん、成分的な効能まで知り尽くしてからできあがる彼の香水。いちばん思い出深い植物は何かが気になり、聞いてみると…。
「マテの花です。私の故郷のブエノスアイレスでは、マテ茶を日常的に飲んでいます。このお茶の花はどんな香りがするんだろう? そんな疑問から、香料にできないかと思い、調べ始めたんです。とっても気に入っている香りです。日本の高温多湿な夏を涼やかな気持ちにしてくれる、オススメの香水です」と数多あるフレグランスの中から、1本選んでくださいました! 

マテの花のほか、グリーンティ、キンモクセイを調合。ほんのり甘味がありながら、すっきりとしたフローラル系の香り。タイス パフューム 30ml ¥13300(税抜) 問い合わせ先/FUEGUIA1883

そして、店舗に数多ある香水の中から、どう自分の好きな香りを見つけるのかというと、香水の上にかぶさっているフレスコの香りを全部嗅いでいくのだとか!! 好きか嫌いかで気になる香りを厳選していくと、だんだんと限られていき、最後にお気に入りの1本に出合うことができるそう。かくいう私もTRYしてみました。1周では決めきれず、2周しました(笑)。しかも、3本選んだところから、またも決めきれず…。でも、実際に自分の肌にのせてみると、香り立ちが変化して、なぜか即決できました(笑)。私はどうやら甘味が出やすい肌タイプのようで、甘い香りをつけると、より甘くなるという傾向があるということも判明! そこで、私が選んだ香水がコチラ!!

ダーウィン パルファン 30ml ¥13500(税抜) 問い合わせ先/FUEGUIA1883

「ダーウィン」というウッディな香り。シダーやヴェチバー、グレープフルーツといった少しシトラスを感じさせる香りでした。自分では意外だったけれど、このウッディな香りを腕にのせると、なんだかさりげない甘味が出て、この香りに包まれていると、とても心地いいのです。この原稿を書いている雨の今日も、この香りでうっとうしさを払っています(笑)。
 

フレグランスは自分を表現する香りとも言います。これからの季節、蒸し蒸しとイヤなニオイも多くなりますが、自分が快適に、心地よく過ごせるオーガニックな香りを見つけてみてはいかがですか? その際には、ぜひ自分の嗅覚と肌にのせて、試されてみてくださいね!その人が纏う香りは、その人の香りになります。同じ香水を他の人が纏っても、同じ香りにはなりにくいもの。オンリーワンが見つけられるのも、香水の魅力。しかも、それがオーガニック香水なら、植物そのものの香りが楽しめ、数種の植物が織りなすハーモニーは濁りがなく、まるで森や庭園にいるような透明感に満ちています。この夏を一緒に過ごす香りに巡り会えますように!

ビューティエディター 長田和歌子

アトピーがあってスキンケアに興味を抱くようになり、仕事として美容ジャンルを選択した過去を持つ。オーガニックコスメ、敏感肌用コスメにはうるさい。主宰する「B/B.CAFÉ」にてスキンケアLESSONなども行っている。

 
  • 1
  • 2