夏から秋へに向け、気候の変化が甚だしいですね。「今年は特に気温の乱高下が激しい」と思ってしまうのは私だけでしょうか? でも、季節がうつろう度に、「去年は何を着ていたんだっけ?」と思ってしまうのは、きっと私だけではないはず!

今回は、真夏のような秋の日コーデのお話。

モヘア(厳密にはモヘア調。いや、シャギー調か!?)素材のノースリーブのワンピース。胸元も背中もガッツリ開いているので、露出度は真夏日仕様。ですが、素材感は思いっきりモコモコ秋冬仕様。インナーにカットソーやシャツ、薄手のニットなどを着ることを想定して購入したワンピースですが、「暑い、暑い、えぇい、一枚で着てしまえ!」と投入(この日の最高気温は31度)。足元にパンプスを合わせたり、ウエストを太めベルトでマークしたりすると、ものすごく女っぽい印象に転んでしまうワンピースなので(もちろん、転ばしてもいいんですが苦笑)、コンバースでカジュアルダウンしました。


ベルベットのトップスを着る。ツイードのジャケットを羽織る。カシミアのストールをバサーッとまとう。コーディロイのパンツをはく……季節を先取りして、颯爽と“秋女”を気取ってみたい気持ちもほんのチョッピリはあるのですが、日中の気温が30度を超えてくるとなると、そんなやせ我慢はできません。「おしゃれは我慢だ!」と言う方もいますが、それには限度があるわけで。

この日はバッグを秋素材にしてみてもよかったのですが、朝、照りつける太陽と対峙した瞬間、なんだか時期尚早に思えてしまい……

というわけで、ラフィア素材の夏バッグを投入。軽さが加わって、いい感じ(私調べ)。首元がさみしいので、器用な知人が作ってくれた革ひものチョーカーをONしてみました。
背中が思いっきり開いています。この日「寒いんだか、暑いんだか、分からない格好だね」と指摘されましたが……「正解! 自分でもどっちかよく分からないのだ」と苦笑。


ラフィアとモヘア。案ずるより組むが易し。思ったよりこの二つの季節感の違う素材同士の相性はよく、そして、なんといっても語呂がいい(笑)!! 井上陽水氏と玉置浩二氏のあの独特の美声の調和のごとく、心地よく重なり合う、夏の終り限定の素材のハーモニー。あと数日は、気候と相談しながら、いろいろな組み合わせを楽しみ尽くそうと思います
 

瀬戸内寂聴先生の『夏の終り』。井上陽水氏が作詞を担当した『夏の終りのハーモニー』。「終わり」ではなく、「終り」。どちらも送り仮名の「わ」がないだけで、ただの「終わり」ではないというメッセージを内包しているかのようで、字面から醸し出される作家の意思に切なさが増幅してしまうのは私だけでしょうか? 『夏の終り』も短編で、『夏の終りのハーモニー』も「あれ、終わり?」と感じる短めの曲。「もっと読みたい」「もっと聴いていたい」と感じてしまうボリューム感も、唐突に別れを告げて去っていく「夏」のよう。
 

CREDIT :
ワンピース/ZARA
ネックレス/ハンドメイド
バッグ/ドゥーズィエムクラスで購入 この日と同じ
靴/コンバース この日と同じ

大森葉子

主にビューティ担当。「今日は夏休み?」と聞かれてしまうほどの“ど”カジュアルと「今日は何かあるの?」と聞かれてしまうほどのデザイン性のある服が好き。ほぼ“一目惚れ”買い派。

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