10月28日。キャリアアップ連載講座四回目。前回に引き続き、女性のキャリアアップ講座の続編。今回は、AERA前編集長を経て、「BUSINESS INSIDER JAPAN」の統括編集長を務める浜田敬子さんに登壇いただき、女性の働き方について、キャリアアップへのハウツーを教えていただきました。
女性の働き方、生き方はこれからどんどん変わる
「ビジネスニュースを取り扱う週刊誌でしたが、振り返ってみると、女性の働き方や生き方をテーマにした号は反響が高かったですね」と語る浜田さん。AERA前編集長であり、現在はアメリカで始まったビジネスニュースの日本版「BUSINESS INSIDER JAPAN」の編集長を務めています。浜田さん自身も編集記者という経験を持ち、今もなお報道の最前線にいるキャリアウーマン。
「週刊誌だから毎週下版があるでしょ。さらに、全国各地にニュースがあるのだから、“今すぐ現場へ行ってきて!”なんてしょっちゅう。楽しかったけど、この仕事のペースが定年までずっと続くと思ったら、しんどくなった」と言います。退職した後、浜田さんは本気で女性の働き方、生き方について考え、「女性が納得する働き方、生き方」を自分自身で、そして新しい職場で実践しているそうです。「転職してわかったのですが、働き方っていかようにもできるんです(笑)。“ねばならない”なんて時代ではないんですから」とスッパリ!
ミモレ大学で講義を受けている女性たちの半数以上がキャリア女性。だから、とても身近に感じるテーマでもありました。ですが、この場にいる人たちだけの問題ではなく、日本の社会全体で考えるべきことなんですよね。
「結婚や出産の選択、家族が増えれば育児がある。最近では介護問題など、女性は本当に忙しい。仕事をしていればなおさらです。でもね、これからは働き手がどんどん減る時代。今までと同じような雇用状態では会社も社会も破綻します。となると、働き方を変えていかなければいけない。たとえば、週や日で働く時間を決めたり、在宅勤務など働く場を選ぶなどがそう。これがスタンダードになれば、女性ももっと働きやすくなりますよね。女性が働き、社会とつながっていくことは日本社会にとっても良いことなんです」(浜田さん)
それでも女性のモヤモヤは無くならない。ナゼ?
ライフワークバランス、ダイバーシティなど、働き方改革が叫ばれ、女性の働く環境が整い始めているというけれど、私たちのモヤモヤした気持ちは消えることがない……それはいったいナゼ?
「AERAで10年ほど前に『女性登用で会社は伸びる』」という特集を組んだことがあるのですが、このタイトル、今でも使えそうでしょ?(笑)。10年前から女性の働き方改革は叫ばれているのに、肝心な働く女性たちの心は満たされていない。このモヤモヤって一体何かというと、仕事の評価なんですよね」と言及した後、女性のキャリアアップ術について話は進みます。
とにかく「話す」「話す」「話す」!
ここで突然、浜田さんから「今から3分間、隣の人、近くの人とお話しましょう。『自分はこういうモノです』という自己紹介をしてください」と提案があり、教室が一気におしゃべりの場へ。とにかく、話す、話す、話す!
実はこの自己紹介こそ、キャリアアップには必要不可欠なことなのだとか。「自分が何者で、どんな仕事をしていて、何に興味を抱いているのか……“自分を知る”ことは、これからのキャリアアップに必ず役立ちます」(浜田さん)。
通常、「キャリアアップ術」と聞くと資格や講習を受ける、会社のセミナーに参加するなど、時間はもちろん、お金や労力も必要と思いがち。ですが、浜田さんが語るキャリアアップ術は、それとは大きく異なる内容でした。充実した人生を過ごすために、今、自分がやれることは何か、「働く」ことをテーマにして会社や家族とどのように向き合っていくか、を改めて考える機会となった90分でした。
受講者の方から届いた感想PICK UP!
「私たちの世代は女性が100歳まで生きられる時代。60歳以降でも続けられる仕事を模索すること。男性やAIには難しい女性にしかできない能力で信頼関係を築くという点で、大切にしていく軸を確認できてとても参考になりました」
「今の時代、資格をとらなければ、スキルがなければと焦りがありましたが、講義を聞き、自分にもできることが必ずあると思え、とても前向きになれました」
「売り手市場になった事で転職を考えていたが、働き方のスタイル自体も変えられる事に気づきました。私の将来を考えるのにあたり大きな収穫でした。」
取材・文/長谷川真弓
次回の講義はファッション業界の一線で活躍する、ケイト・スペード ジャパン社長の柳澤綾子さんとナナデェコール代表、神田恵実さんの対談を。二人が繰り出す「ファッション業界でのキャリアの築き方」を紹介します。
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