米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。
自分よりずっと年下ですが『モールス』などを観るたびにうまいなぁとうならされる女優、クロエ・グレース・モレッツの出演作『HICK -ルリ 13歳の旅』です。
ちょっぴり大人っぽくなってきたとはいえ、キャミソールやシンプルなワンピースに包まれた体はまだ子どもと少女の中間くらい。この年齢の女の子だけが持つ輝きを感じました。大胆な演技に挑戦しているクロエに負けじと存在感を放っているのが、一緒に旅をすることになるブレイク・ライヴリー。立ちションをするシーンもあって、かなりインパクト大! クロエが上手だから、周りの役者たちも自然と引き立ってくるんですね。
13歳の少女が主人公ですが、田舎町からラスベガスを目指す旅の途中には、コカインでぶっ飛んでいるシーンあり、優しそうに見えたのにいきなり豹変するサイコな大人の男との出会いあり。立ち寄る場所の風景すべてが印象的だから、まるで自分も一緒に旅をしたように頭のなかにチャプターが作れるロードムービーでした。『リトル・ミス・サンシャイン』を思い出させる、大人の女性でも楽しめる作品だと思います。
このページは、女性誌「FRaU」(2012年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。
『HICK -ルリ 13歳の旅』
両親が蒸発したことをきっかけに、退屈な田舎町を抜け出す決意をした13歳の少女、ルリ。彼女は憧れのラスベガスに向けて旅に出るが……。