2018.2.13

「スピードマスター」のように、強く、カッコよくありたい・・・byエディター 昼田祥子

時計は、「こんな風に生きたい」と理想の女性像を抱いた時に、そばにあって欲しいもの。そしてファッションよりも如実に、持ち主の“人となり”を物語るアイテムではないでしょうか。オメガ「スピードマスター」は、私にとってまさにそんな時計。大好きなパンツスタイルにも、ジャストフィットしてくれます。

タフでスポーティな雰囲気を醸し出す、オメガ「スピードマスタープロフェッショナル」。実はこの時計は、もともと義父が夫に譲ったもの。それが夫にはどうしても似合わなかったらしく(笑)、巡り巡って私のもとにやって来たのです。モーレツな仕事人間だった義父と、エプロンが似合いそうな穏やかな人である夫は、言わば正反対のキャラクター。そんな性格の違いは時計の趣味にも表れていたようで、せっかく譲り受けたスピードマスターも、しばらくはタンスの奥で眠っていたそうです。

一方、私はと言えば、若い頃から「いつかは本格時計を・・・」と憧れながらも、時計をすることでファッションを縛られてしまうような気がして、なかなか手を出せずにいました。いま思えば、自分のスタイルが定まっていなかったからこそ、しっくりくる時計を選べなかったのかもしれません。それが、30歳を過ぎて彼と出会い、彼の服や小物を共有させてもらうなかでスピードマスターと出合ったタイミングは、ちょうど自分らしさが確立されてきた頃。“ショートヘアでおしゃれは辛口、メンズライクやメンズも大好き”。この時計は、まさにそんな私のスタイルにがっちりとハマってくれたのでした。

義父が仕事一筋で駆け抜けた時期を支えていた、時計。同じように、私もこの時計には、たびたび背中を押してもらっている気がします。仕事で自分の弱さや至らなさを直視せざるを得ない時も、自分を励まし、鼓舞してくれる頼もしい存在。また、この時計の持つ、強くてカッコいいイメージは、身に着けるたび、適度な緊張感をもたらしてくれます。もしも20代で出会っていたら、スルーしていたかもしれないけれど、結婚・出産を越え、自分の在り方や生き方が見えてきた今だからこそ、この時計を受け止められているのかもしれません。

人生でいちばん最初に手に入れた時計は、20代後半で購入したフランク ミュラー。急激に仕事量が増えて徹夜続きの日々でしたが、それでも、いいページを作ることばかり考え、24時間燃えていました。そんな理想の自分に近づくべく手に入れた本格時計。「いい時計をすると、日々の気持ちの入り方が全然違う!」ということを教えてくれた思い出深い1本です。


CREDIT:
(オメガのカット)
ニット/ユニクロ
パンツ/エンフォルド
リング/ブランイリス
スニーカー/コンバース

(フランクミュラーのカット)
ニット/ユナイテッドアローズ
ニット/ブラック バイ マウジー
パンプス/ペリーコ

PROFILE 昼田祥子さん

出版社勤務を経てフリーランスへ。ミモレでは主にスタイリスト連載を担当しています。
甘いものも甘い服も苦手で、最近はメンズ売り場が一番落ち着きます(笑)。

構成・文/村上治子